1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650083
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長岐 滋 岡山大学, 工学部, 助教授 (30135959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納所 孝至 岡山県立大学, 情報工学部, 講師 (80208298)
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Keywords | 微視構造 / 偶応力弾塑性論 / 偶応力有限有義法 / 多孔平板 |
Research Abstract |
本年度は,物体中の微視構造としてのすべりベクトルを極性ベクトル(Director)と考えた多極性物質の新たな弾塑性構成関係を導き,この理論がMindlinによる偶応力弾性理論を自然な形で弾塑性理論まで拡張したものであることを示した.従来の塑性論と同様に塑性ひずみ速度成分に関する法線則が成り立つことなども併せて示し,これらの結果は現在論文投稿の準備中である.また,この構成関係を組み込んだ偶応力有限要素法プログラムを平行して作成中であり,偶応力を考慮した弾性変形部分についてはほぼ完成し,今後塑性変形部分について検討,改良を加える予定である. さらに,微視構造を考慮した弾塑性構成式の具体的な例として微視空孔を取り上げ,そのモデル材としての多孔平板の弾塑性挙動を調べた.すなわち,規則的に空孔が配列する多孔平板,不規則に配列する多孔平板をそれぞれアルミニュム板材から各種作成し,負荷方向と空孔配列形態が変形に及ぼす影響,特に巨視的な降伏応力の配列形態依存性などを中心に実験的検討を行った.このような多孔平板の降伏応力における異方性は,研究代表者等がすでに提唱している損傷テンソルを導入した異方性Gursonの降伏関数によって第一近似として定量的に表わすことができることを実験的に確認した.また不規則に空孔が分布する場合については,空孔分布領域のボロノイ分割とステレオロジーの手法によって,を取り入れ分布形態を定量化する方法を提案し,その有効性の実証実験を引き続き行っている.多孔平板に関するこれらの検討結果の一部は,機械学会材料力学講演会,同九州中国四国支部合同講演会において講演発表を行った.
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