1993 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイス用材料の力学特性評価を目的とした微小材料試験機の試作
Project/Area Number |
05650091
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
笠野 英秋 拓殖大学, 工学部, 教授 (40016663)
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Keywords | 微小材料試験機 / 電子デバイス用材料 / 微小試験片 / 引張曲げ強度 / 層間せん断強度 / GFRP |
Research Abstract |
電子デバイスの構造強度設計に際して必要となる力学特性,とくにデバイス用小型積層材料の強度を評価するための微小材料試験機を試作した。試験機の設計にあたっては,対象とする試験片の大きさを長さ10mm×幅1mm×厚さ3mm程度と想定し,できるだけ簡素な機構で,引張曲げ強度と層間せん断強度を評価できることを目標とした。このような設計概念の基で試作した本微小材料試験機は,試験片の表面に適当な間隔で接触する上下2つずつのエッヂをもち,対称4点曲げ荷重あるいは非対称4点曲げ荷重を負荷することが可能であり,このときの荷重と変位はそれぞれ小型ロードセルとポテンショメータによって測定される。そして,本微小材料試験機を用いて,各種エポキシ樹脂単体およびエポキシ樹脂とシリカ,ガラス繊維,アルミナなどとの複合材の曲げ強度と層間せん断強度の評価を試みた結果,これらデバイス用材料の特性に関して,(1)エポキシ樹脂単体の3点曲げ強度は市販のエポキシ注型材料(通用の大きさ)と比較して,大きな値が得られた曲げ弾性率はほぼ同程度である,(2)シリカ/エポキシ樹脂複合材の曲げ弾性率はきわめて大きい,(3)ガラス繊維強化エポキシ樹脂積層複合材の層間せん断強度はきわめて小さく,曲げ強度の1/8程度である,(4)アルミナ/エポキシ樹脂積層複合材の非対称4点曲げ試験では脆いアルミナ層の引張曲げ破壊が先行するため,層間せん断強度の評価が困難であり,試験片の積層構成に工夫を要すること,などの知見が得られた。そして,総体的には本微小材料試験機が微小材料の強度評価において有効に機能することが確認できた。
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