1993 Fiscal Year Annual Research Report
非晶質金属の塑性加工と結晶化による複合超微細結晶金属材料の製造の基礎的研究
Project/Area Number |
05650094
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
師岡 利政 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 忠治 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (80061498)
湯浅 栄二 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (00061531)
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Keywords | メカニカルアロイング / 非晶質金属 / 結晶化過程 / Ti-Cu合金 / 押出し加工 / 微細結晶粒組織 / 金属間化合物 / 結晶粒界 |
Research Abstract |
微細結晶粒を得る方法として非晶質状態からの結晶化の過程で、それらが得られる可能性を考え、研究を行い、次の成果を得た。 (1)メカニカルアロイング(MA)により作製した非晶質Ti-Cu合金粉末の結晶化について MA法により平衡共存相がTi_2Cu,TiCuである共晶組成のTi-43at%Cu非晶質合金粉末を純Ti、純Cu粉末により作製した。この非晶質粉末の結晶化温度は約630Kであった。この粉末を種々の温度で加熱し、生成相をX線回折的に検討した結果、結晶化の初期にTiCu相が先ず生成、成長し、この成長が終わりに近づくとTi_2Cuの成長が盛んになる。これらの結果は、2段階で結晶化が進行していることを示している。また、この時の結晶子径は最大で40nm程度であった。 (2)MAにより作製した非晶質Ti-Cu合金粉末の結晶化に及ぼす押出し加工の影響 Ti-43at%Cu非晶質合金粉末の結晶化は静水圧的圧力により抑制されるが、工業的塑性加工の影響については明らかでない点があるので、非晶質合金粉末を押出し加工し、結晶化過程について研究した。結晶化開始温度より低い温度で押出しを行うと、押出し比が低いときは結晶化が起きていないが、押出し比が高くなると結晶化が生じる。またこの時の結晶子径は15nm程度であった。 (3)非晶質合金粉末と結晶金属粉末のMAの研究 微細粒子分散合金を作製する場合を考え、非晶質合金粉末と結晶金属粉末を混合し、MAし、その合金化過程を研究した結果、非晶質と結晶との間で表面で拡散が生じて非結晶化する。これを加熱すればMA時間による界面の組成に従い、種々の合金相が生じることが実験的に示された。
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[Publications] 師岡利政: "MAにより非晶質化したTi-43at%Cu混合粉の結晶化について" 粉体および粉末治金. 40. 251-255 (1993)
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[Publications] 師岡利政: "メカニカルアロイングによって作製した非晶質Ti-43at%Cu粉末の結晶化に及ぼす押出しの影響" 粉体および粉末治金. 40. 311-314 (1993)
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[Publications] 師岡利政: "Ti-43at%Cu非晶質粉末とアルミニウム粉末の機械的合金化" 粉体および粉末治金. 40. 963-966 (1993)