1993 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉候補材タングステン焼結合金の熱衝撃強度の破壊力学的評価
Project/Area Number |
05650103
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 訓 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30042782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
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Keywords | 焼結合金 / 高温 / 強度 / 熱衝撃 / フラクトグラフィ / 破壊 / タングステン |
Research Abstract |
本年度行った研究を箇条書きにすると以下のようになる。 1.タングステン含有率93.0および97.2%(wt%)のW-Ni-Fe焼結合金を製造し,高温引張試験および熱衝撃試験を行うための丸棒,角柱試験片を作成した。 2.作成した試験片を使って,まず室温でのタングステン焼結合金の機械的性質を調べた。本供試材は降伏強度,引張強さともに高く,また破壊靱性も優れていることが分かった。この結果は日本材料学会誌に報告した。 3.熱衝撃特性の基本的性質の一つである高温におけるタングステン焼結合金の挙動を明らかにするために,室温から900°Cまでの温度範囲で大気中,真空中における引張試験を行った。それによると,温度が上昇すると降伏強度,引張強さは低下するが,他の耐熱合金である18-8ステンレス鋼,Cr-Mo鋼に比べて高い値を示した。さらに,現在破面の破壊形態および破面近傍のタングステン粒子の変形状態を調べている。なお,これらの結果の一部は日本機械学会で発表を予定している。 4.高温からの急冷の条件下でのタングステン焼結合金の損傷を明らかにするために,加熱炉中に約20分間保持した断面10×10mm,長さ20mmの角柱試験片を0°Cの水中にいれて繰り返し急冷した。表面観察によると,タングステン粒子内あるいはタングステン粒子とマトリックスの境界に微小なき裂が発生していた。このき裂発生時の加熱温度と急冷繰り返し数の間には直線的関係が成立していることが分かった。今後はさらに詳細な実験を行うとともに,力学的考察を行ってその特性を明らかにする予定である。
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