1994 Fiscal Year Annual Research Report
3次元計測データに基づく光硬化法による樹脂モデル製作に関する研究
Project/Area Number |
05650108
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉沢 徹 東京農工大学, 工学部, 教授 (80020387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 幸利 東京農工大学, 工学部, 助手 (10233165)
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Keywords | 光リソグラフィ / 硬化過程の解析 / 光硬化性樹脂 / リヴァースエンジニアリング / 樹脂モデル / 3次元形状計測 |
Research Abstract |
光硬化法による樹脂モデル製作に関する研究の最終年にあたる本年はおもに3次元モデル用データのための非接触形状計測法を確立するとともに立体樹脂モデルの製作を行った. 3次元モデルデータを得るため周波数変調によるモアレトポグラフィ法とワンステプ位相シフト法の2つの3次元形状計測法の確立を行った.モアレトポグラフィ法は形状計測に有効な手段であるが,高分解化のために基本周波数を変調することによる縞走査を行った.さらに,ダイナミックな形状計測を行うためにワンステップ位相シフト法を用いた格子パターン投影法の確立をおこなった.これは1画面で高速,高精度に計測法できることから物体の時々刻々に形状が変化する様子をとらえることに成功した. さらに,昨年からの研究の継続として,光硬化時の樹脂の硬化メカニズムの解析には2つの解析法を試みた.光硬化性樹脂が硬化によって屈折率が大きくなるように変化するため,CT法により内部屈折率分布を計測する方法の研究を行った.さらに,樹脂の硬化によって応力,ひずみが起こることから2次元複屈折分布を計測する研究も試みた.これによって得られた結果をもとに最適な加工条件を決定し,以上の3次元モデルデータを用いて立体樹脂モデル製作が可能となった. 本手法は実物大のモデルはもちろん,もとの三次元座標が得られているので,縮尺の変更,新たな形状を追加するなど様々に応用することが可能である.近年,リヴァースエンジニアリングという新しい概念が提案されたが,本研究はこの研究分野において非常に有効であり,先駆的な研究となった.今後さらに実際の設計デザインなどの工業分野の利用への応用を含めて,本研究を進めていく予定である.
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[Publications] 大谷幸利: "光硬化性樹脂の硬化過程の解析(II)-屈折率分布時間変化の測定-" 精密工学会秋季学術講演会講演論文集. 551-552 (1993)
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[Publications] R.Gu: "One-step phase shift system with 8-pixel-pitch feinge pattern" 精密工学会秋季学術講演会講演論文集. 235-236 (1993)
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[Publications] 大谷幸利: "光硬化性樹脂の硬化過程の解析(III)-内部ひずみ分布の測定-" 精密工学会春季学術講演会講演論文集. 583-584 (1994)
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[Publications] 吉澤徹: "周波数変調による縞走査法-第1報・モアレ計測への応用-" 精密工学会春季学術講演会講演論文集. 795-796 (1994)
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[Publications] Y.Otani: "Two-dimensional Birefringence Measurement using the Phase Shifting Technique" Optical Engineering. 33. 1604-1609 (1994)
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[Publications] R.Gu: "One-step phase shift 3-D surface profilometry with grating projection" Optics and Lasers in Engineering. 21. 61-75 (1994)
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[Publications] 田中康司: "ワンステップ位相シフト法を用いた三次元計測" 光計測シンポジウム講演論文集. 18-19 (1994)
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[Publications] 田中康司: "One-stepGRASPによる動的形状計測" 精密工学会秋季学術講演会講演論文集. 55-56 (1994)