1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650126
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
宮本 岩男 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (10084477)
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Keywords | ダイヤモンド / リアクティブイオンビーム加工 / 酸素イオンビーム / 加工速度 / 表面粗さ / イオンエネルギー / イオン入射角 |
Research Abstract |
ダイヤモンドバイトやナイフなどのダイヤモンド工具のイオンビーム加工においては、照射損傷や工具の切刃先端でのファセットの形成などが問題になる。そこで、本研究はダイヤモンド工具の仕上げ加工に酸素、水素等の活性ガスを用いたリアクティブイオンビーム加工法を適用し、これらの問題点を克服することを目的とする。このために、酸素イオンビームを用いたリアクティブイオンビーム加工の基本的な特性であるダイヤモンドの加工速度のイオン入射角依存性ならびにイオンのエネルギや入射角がダイヤモンドの表面粗さに及ぼす影響などについて検討した。その結果、次の結論を得た。 (1)ダイヤモンドの加工速度は(100)面、(110)面、(111)の順に遅くなるが、各面の加工速度はイオンエネルギーの増加とともに速くなる。 (2)イオンエネルギーが500eVの場合、3結晶面の加工速度はイオン入射角の増加とともに減少する。しかし、イオンネンルギーが1000eVの場合、3結晶面の加工速度は、イオン入射角が30°前後において最大になり、その後はイオン入射角の増加とともに急激に減少する。 (3)酸素イオンビームで加工した場合のダイヤモンド各面の加工速度は、アルゴンイオンで加工した場合のそれのほぼ10倍になる。 (4)イオンエネルギーが500eVの場合、3結晶面の加工速度は加工時の試料温度の上昇とともに減少する。しかし、イオンネンルギーが1000eVの場合、3結晶面の加工速度は、試料温度が50℃前後において最大になり、その後は試料温度の増加とともに除々に減少する。 (5)原子間力顕微鏡を用いて加工前後の試料の表面粗さを評価した結果、酸素イオンで加工した試料の表面粗さは、機械研磨で前加工下試料のそれに比べて10倍向上した。
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