1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650127
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
橋本 純 日本大学, 工学部, 講師 (70172856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 仙治 日本大学, 工学部, 講師 (10060154)
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Keywords | セラミックス板 / 切断 / 破壊 / き裂伝播 |
Research Abstract |
集積回路などの基板は大量に生産されているが、その加工の基本ともいうべき切断では、国の内外を問わず、従来のダイヤモンド砥石や鋸歯による切断法が主流をなしている。しかしこの切断法では、切断において切屑や騒音を発生するばかりでなく、切断までにかなりの時間とエネルギを要するなどの欠点を持つ。このため本研究では、球面座を用いたセラミックス板の切断法を提示し、その開発を試みた結果、次のような研究成果を得た。 本切断法は同じ曲率半径を持つ凹と凸の球面座の間に、切断しようとする形状に切欠きを設けたセラミックス板を配置して、圧縮荷重を球面座に負荷すれば、セラミックス板は球面に沿うように変形することから、セラミックス板内には球面座の曲率に比例した曲げモーメントを自動的に誘起する。したがって適当な球面座の曲率を選ぶことにより、セラミックス板に設けた切欠き部から曲げ破壊によるき裂を伝播させることができる。本切断法はこの曲げ破壊によるき裂の伝播を利用して、セラミックス板を切断するものである。このためぜい性材料の破壊条件、材料の機械的性質などを考慮して、切断に適した球面座の曲率半径について検討した。その結果、本切断法は使用する球面座の曲率半径を選定する必要があるが、その曲率半径が決定されれば、上述したように極めて簡単な切断法であり、また本切断法はぜい性材料の破壊時に発生するき裂の伝播を利用しているので、従来の切断法では企て及ばない、以下に示す特徴を持つものであることを明らかにした。1、本切断法では一枚のセラミックス板を母材として、それから多数の希望する小矩形板や三角形板はもちろん、円板をも一度に採取することができる。2、切断において切屑や騒音をほとんど発生せず、しかも切断面はセラミックス板の表面とほぼ垂直となる。3、切断に要する時間とエネルギは僅少である。
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