1993 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性材のアブレシブ摩耗に及ぼす磁気効果とその応用に関する研究
Project/Area Number |
05650135
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
熊谷 一男 秋田大学, 鉱山学部機械工学科, 教授 (10005225)
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Keywords | アブレシブ摩耗 / 交流磁場 / 磁束密度 / 磁化周波数 / 研削効率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アブレシブ摩耗における交流磁場の影響を調べ、その成果を強磁性材の研削加工に応用することの可能性を検討することである。 そのために平成5年度は、磁場中アブレシブ摩耗試験装置の設計試作と周波数変換器の試作を行なった。 アブレシブ摩耗試験装置は、コイル定数55kA/mの磁化コイルを装着し、幅300mm周長915mmのエンドレスベルトにより、ピンに種々の送りを与えて研削できるようになっている。もっとも工夫を要した点は、研削屑を如何にして完全に除去するかで、1700Gの磁石に研削屑を吸引させることでほぼ要求を満たすことができた。 試作周波数変換器は、400Hzの周波数においても、ピン先端における磁束密度を60mT(コイル電流0.5A)に磁化することが可能である。 研磨ベルトCC-320により、研削速度4m/minピンの送り速度3mm/rev.のもとで、真空焼鈍したニッケルピンを研削したときの磁気効果を検討し、以下のような結果を得た。 1.周波数200Hz磁束密度60mTにおいて、研削量(アブレシブ摩耗量)は約10%増加する。 2.400Hzの周波数においては、20mTの磁化で研削量は7%増加するが、それ以上の磁化ではかえって磁気効果は減少する。 3.これらの磁気効果は、ピンのコイルからの突き出し長さの短いときに顕著である。 4.ピンのビッカース硬さは、磁化の強いほど、また周波数の高いほど低下する。 以上の実験結果をもとに、平成6年度は、被研削材ならびに研磨ベルトの材質、研削速度、最適周波数と最適磁束密度について検討し、さらに磁気効果の基本的原理を解明したいと考えている。
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