1993 Fiscal Year Annual Research Report
湿式クラッチ用多孔性フェーシング材の定常及び過渡的摺動条件下における油膜圧力測定
Project/Area Number |
05650138
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山本 隆司 東京農工大学, 工学部, 教授 (60015120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博信 東京農工大学, 工学部, 教務職技官 (40184684)
藤本 浩司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (40182993)
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Keywords | 湿式クラッチ / ペーパ系摩擦材 / 多孔性材料 / トライボロジー / 摩擦 / 油膜圧力 / 自動変速機 / フェーシング材 |
Research Abstract |
自動車自動変速機に多用されている湿式フェーシング材の摩擦特性は,流体潤滑的特性と境界潤滑好特性の両方を併せ持っている.本研究はこのような潤滑条件下において重要な役割を果たす摺動面に発生する油膜圧力を種々の条件の下において測定した.本試験機は,試作後すでに7年を経過し,種々の研究成果を挙げてきた.それらの摩擦特性と摺動面に生ずる油膜圧力の測定結果と対比させて検討した.その結果,摺動初期には,摺動面において正圧が発生するが,時間経過とともに圧力は減少し,やがて負圧に転ずることを明らかにした.これらは,圧力測定孔径を0.5mm,0.18mmの2種類に選び,いずれも同様の測定結果を実証した.これらの測定を自動変速機油及び,その基油相当油を用いて行い,類似の現象の生ずることを確認した.摩擦特性は,油膜圧力の測定結果とは相関関係を示さず,多孔性ペーパ系摩擦材の摩擦特性において,流体摩擦の占める位置に比較して境界摩擦の占める役割が極めて大きいことを実証し,同摩擦材の摩擦力発生機構解明の重要なデータが取得できた.
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