1993 Fiscal Year Annual Research Report
ギャップを持つ粗さ要素により変形を受けた境界層の内部乱流混合機構
Project/Area Number |
05650164
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大坂 英雄 山口大学, 工学部, 教授 (90024611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 信介 山口大学, 工学部, 講師 (70190957)
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Keywords | Turbulent boundary layer / Turbulent mixing / Gap flow / Distortion / Turbulent quantities / Equilibrium state |
Research Abstract |
スパン方向中心位置にギャップを持つ粗さ要素を越えて発達する乱流境界層の構造を、ギャップ寸法と流れ場の変形の程度との関係から明らかにする実験を行った。 粗さ要素は高さH=5mm、幅W=5mmの正方形角柱で、平板前縁より2mの下流位置に流れに対して直角に壁面に付着して設置した。主流速度U_1=10m/sのとき境界層厚さδ_0=37mmで、H/δ_0〓0.135である。ギャップ寸法Gは、G/δ_0=1/8,1/4,1/2及び1の4種類である。 得られた結果及び今後の発展、反省点を以下に列挙しておく。 (1)x/G=0における乱流量分布から、ギャップ寸法を3種類に分類できた。 a) Sギャップ(G/δ_0=1/8) :v_<rms>/U_1が最大、内層で-uv/U_1^2分布は減少 b) Mギャップ(G/δ_0=1/4と1/2):w_<rms>/U_1が最大、内層で-uv/U_1^2分布は極大 c) Lギャップ(G/δ_0=1) :u_<rms>/U_1が最大、内層で-uv/U_1^2はゆるやかなピーク (2)乱流場の変形の下流方向変化は、x/Gの値でまとめるとギャップ寸法によらずほぼ類似する。 (3)速度スケール(q_<rms>)_<max>の値は、ギャップ寸法により系統的な差を示し、寸法が小さいほど層内全域で値が大きい。長さスケールはそれをとる位置及び高さがギャップ寸法が小さいほど小さい。 (4)乱流運動エネルギ流束の流れ方向変化割合は、ギャップ寸法差により生じた乱流量の変化に対応した分布傾向を示す。 (5)VITA法で求めた集合平均波形は、ギャップ寸法と流れ方向位置とで著しく変化する。その傾向はギャップを通り抜ける流れと拡大流とにより説明できる。従って、ギャップ端近傍からの縦渦の発生の予想により、変形過程との対応が理解できる。 (6)ギャップ端近傍からの熱源の発生及び4象限解析法の準備を進めている段階である。
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