1993 Fiscal Year Annual Research Report
電磁熱流体の有限要素解析スキームの開発と実用化技術に関する研究
Project/Area Number |
05650176
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
棚橋 隆彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051638)
|
Keywords | 電磁流体 / 熱流体 / 有限要素法 / GSMAC法 / Hybrid法 / 自然対流 / 熱伝達 / 溶融金属 |
Research Abstract |
従来、磁場作用下の電磁熱流体に関する研究として,電磁ポンプ,電磁流量計などの流体機器の開発,溶融金属の加熱・攪拌,あるいは核融合炉の伝熱問題に関連して古くから行われてきた。現在では,超伝導磁石,高性能永久磁石の著しい進歩により,電磁熱流体の熱流動現象の解明は急務である。液体金属などの電磁熱流体に磁場が印加された場合,Lorentz力,誘導加熱,浮力を介して速度場と電磁場と温度場が共に連成して複雑な挙動を示す。よって,電磁熱流体の数値解析手法の確立は不可欠となる。 そこで,申請者は,誘起磁場と誘導加熱を考慮し,速度場と磁場のソレノイダル性を十分に満足する非定常有限要素スキームを開発した。ここでは,スキーム検証用モデルとして正方形内自然対流問題を解析した。次に,磁場解析スキームを改良して静止導体にも適用可能にした。同時に,広範囲なHartmann数域で計算効率の向上を達成した。上記の磁場解析スキームは磁場を直接未知変数とする原始変数法である。これより,物理的な境界条件の設定,3次元への拡張が容易になった。 液体金属のような電磁熱流体は,一般的に高Reynolds数かつ低磁気Reynolds数流体となる。まず,高Reynolds数問題に対して,双対空間を用いたHybrid形上流化有限要素法を適用する。これは双対空間を用いることによって,補間関数の高精度化と重み関数の上流化を同時に達成したものである。スキーム検証用モデルとして1次元Burgers方程式の初期値・境界値問題を解析し,妥当性を示した。一方,低磁気Reynolds数問題に対しては,磁場の誘導方程式に陰解法を導入して計算の効率化を図った。
|
-
[Publications] 棚橋隆彦: "非線形マイクロ・ポーラ電磁流体の基礎理論" 日本機械学会論文集. 59. 1829-1834 (1993)
-
[Publications] 沖良篤: "GSMAC有限要素法による内部発熱を伴う自然対流解析(1)" 日本機械学会論文集. 59. 1835-1842 (1993)
-
[Publications] 沖良篤: "GSMAC有限要素法による内部発熱を伴う自然対流解析(2)" 日本機械学会論文集. 59. 2165-2172 (1993)
-
[Publications] S.Kawamoto: "Numerical Analysis of Wind using High‐Speed GSMAC‐FEM" J.of wind Engineering and Industrial Aerody.46. 115-120 (1993)
-
[Publications] T.Sawada: "Natural Convection of a Magnetic Fluid in Concentric Annuli" Experital and Thermal and Fluid Science. 7. 212-220 (1993)
-
[Publications] 棚橋隆彦: "双対空間を用いたHybrid形上流化有限要素法" 日本機械学会論文集. 59. 3823-3830 (1993)