1993 Fiscal Year Annual Research Report
有限長円柱に働く組織性変動流体力の評価とそのアスペクト比依存性に関する研究
Project/Area Number |
05650183
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
田中 周治 豊田工業大学, 工学部, 教授 (40029327)
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Keywords | 有限長円柱 / 組織性 / 変動流体力 / アスペクト比 / ストロハル数 / 後流 |
Research Abstract |
一様流中において地面板上に直立する有限長円柱(アスペクト比lambda=1〜15)に生じる表面静圧変動および円柱近傍・後流中の速度変動を,半導体圧力センサおよび熱線流速計を用いて検出し,FFT分析することによって周波数領域で検討を加え,次のような知見を得た。 円柱軸方向各部に生じる組織性変動の形態の変化 有限長円柱の近傍の流れ場には,次の三種類の明確な組織性が存在することが確認された。 (1)地面板近傍成分…地面板近傍の円柱表面(側面)静圧変動あるいは後流の速度変動中に生じ、二次元円柱の放出渦(カルマン渦列)成分に相当すると考えられる組織性を有しており、そのストロハル数はアスペクト比に応じて約0.14から0.21程度の値をとる。 (2)中間領域成分…円柱のスパン中央付近の表面変動静圧あるいは後流変動流れ場中に生成され,(1)と後述する(3)の中間的性格の組織性を持っており,そのストロハル数は約0.15である。 (3)端面近傍成分…円柱端面および端面近傍側面の剥離点直後(±75〜±80°)および±150°前後の表面と円柱のごく近傍の後流中に現れる組織性変動であり,そのストロハル数は約0.075である。 2.上記の組織性の現れ方は,アスペクト比lambda=7を境にして,その形態が大きく変化する。すなわち,アスペクト比が7以上の高アスペクト比円柱では,上記(1)〜(3)の異なった周波数を有する組織性変動すべてが同時に発生する。一方、lambda=7以下の低アスペクト比円柱では、地面板近傍成分の組織性変動のみが発生し,スパン中央から端面にかけては特に明確な組織性変動は現れなくなる。
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