1993 Fiscal Year Annual Research Report
密閉容器内安定密度成層中での熱・物質伝達に関する研究
Project/Area Number |
05650193
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
姫野 修廣 信州大学, 繊維学部, 助教授 (20114887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日向 滋 信州大学, 繊維学部, 教授 (80007020)
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Keywords | 自然対流 / 安定密度成層 / 二重拡散 / 熱・物質伝達 |
Research Abstract |
本研究では、下方ほど密度が大きい安定密度成層内での熱・物質伝達につき、LiBr水溶液を試料として実験的研究を行った。 先ず矩形容器の場合について、装置の製作ならびに実験を行った。最初に密度成層内での実験に先立ち、本測定装置の精度を確認するため、純水を用いて一様密度場での自然対流実験を行い、あわせて数値計算プログラムを作成し、実験値と理論値との比較を行った。その結果、全域にわたって局所熱伝達率は実験値と理論値との間で非常に良く一致し、本実験装置および測定方法の妥当性が確認された。そこで次にLiBr水溶液を用いて密度成層内での実験を行ったが、加熱面側ステンレス箔表面において腐食現象が観察された。冷却面側においては全く腐食が生じていないことから電気的作用によるものと考えられ、これに対処するため加熱面側ステンレス箔表面にエポキシ製の薄い皮膜を施し実験を行った。これにより腐食の問題は解決したが、耐久性の点から時々皮膜を新しくする必要があり、このことが研究の進展を遅らせることとなった。そのため当初予定の二重円管容器内の実験まで行うことはできなかったが、熱・物質伝達の概略のデータは得ることができ、また重要なパラメータも明らかにすることができた。特に物質伝達では、理論的に予測される分離対流層の厚さを代表長としたレイリー数を用いることにより、シャーウッド数とレイリー数との形で良好な相関を得ることができた。また熱伝達についても、分離対流層の厚さが薄いときには熱伝達率の低下が著しいが、分離対流層が厚くなるにつれて一様密度場の熱伝達率に漸近していく傾向を明らかにするとともに、その基礎データもかなり蓄積した。今後、さらにデータを増やし精度の高い相関式を作成するとともに、二重円管の場合についても精密な実験を行う予定でいる。
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