1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650198
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本田 博司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00038580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 光 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (70239995)
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Keywords | 水平細線 / 浸漬急速冷却 / 非定常沸騰 / 固液接触 / 電気抵抗法 / 冷却促進 / 塩類水溶液 |
Research Abstract |
超急速冷却技術の開発はアモルファスなどの金属系新素材製造技術の基礎として重要である。本研究では回転液中紡糸法による金属細線製造プロセスの基礎研究として、加熱した水平白金細線を純水、エタノール、および塩化カルシウム水溶液のプール中へ一定速度で落下させて浸漬急冷し、その間の冷却特性に及ぼす細線の落下速度u、初期温度T_<wo>、バルク中液温度T_b、塩化カルシウム濃度X、細線経d等の影響を明らかにするとともに、急冷凝固プロセスにおいて重要な高温域の熱伝達を支配する膜沸騰気膜の破壊現象を新しく考案した電気抵抗法によって測定した。実験範囲はu=0.1〜1.5m/s、T_<wo>=300〜1400℃、T_b=-20〜80℃、x=0〜30%である。実験結果によれば、T_<wo>が十分高い時、冷却曲線には勾配が急増する点が2点存在し、これに対応して沸騰曲線には熱流束が急増する点が2点存在する。そして、最初の熱流束急増点M_1は固液接触の開始点に対応することが見出された。純水及びエタノールの固液接触開始点は従来の研究におけるように伝熱過熱度対TT_bの関係では整理できない。この点のヌッセルト数は液の無欠元過冷度の増大につれて最初減少し、その後ほぼ一定値をとった。このことは、固液接触の開始が蒸気膜の不安定振動に起因することを示唆している。第2の熱流束急増点M_2伝熱面過熱度は実験条件によらずほぼ一定であった。塩化カルシウム水溶液ではxの増大につれてM_2点の伝熱面過熱度が増大し、その結果高温域の熱流束が顕著に増大した。この原因は固液接触時の塩化カルシウム折出によって伝熱面の濡れが性が増大し、微細蒸気泡の爆発的な伝熱面からの放出が起きることにあることが沸騰曲線と現象の瞬間写真との対応関係から明らかになった。なお、高温細線と水が接触する際に10Vのオーダーの起電力が発生する現像が観察された。来年度は、超音波を利用した能動的な固液接触促進法および上述の起電力の発生機構について研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 本田博司: "高温細線の浸漬急冷過程における固液接触と熱起電力の測定" 九州大学機能物質科学研究所報告. 7. (1994)
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[Publications] Honda.H: "Heat Transfer and Liquid Solid Contact During the Rapid Quenching of Thin Wires in Water and CaCl_2/Water Solution" Proc 10th lnternational Heat Transfer Conference. (1994)