1993 Fiscal Year Annual Research Report
高性能液膜式吸収器の開発(液膜表面波の誘起による吸収促進)
Project/Area Number |
05650201
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
長田 孝志 琉球大学, 工学部, 教授 (70045186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野底 武浩 琉球大学, 工学部, 助教授 (80183903)
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Keywords | 液膜 / 吸収器 / 表面波 / ガス吸収 / 物質移動 |
Research Abstract |
LiBr/水系を用いる冷凍機用の高性能液膜式吸収器を開発するため、周期的な脈動(擾乱)を鉛直面流下液膜に与えることにより表面波を制御し、ガス吸収促進を試みた。本年度は基礎的知見を得るため、水の液膜による酸素ガス吸収速度を測定すると共に、表面波の様子をシャドウグラフ法により観察した。 シャーウッド数Shと擾乱周波数fdの関係を下図に示す。低レイノルズ数Re=17ではfd4=HzでShは最大値を取り、高レイノルズ数Re=53ではfd=36Hzで最大値を取る。中間のReではfd=10Hzと30Hz近傍で二つ極大値を取る。すなわち各々のReにおいて最適の擾乱周波数が存在する。また、周期擾乱による吸収促進は20〜40%である。特に低Reにおいて促進効果は大きい。従って高粘度のLiBr水溶液の液膜に対し、本促進法はより有効である。 fd≦25Hzの比較的良く制御された表面波の液膜の実験結果について、次の相関-式が成り立つことを見い出した。 ここでh・Dは平均物質伝達率・拡散係数である。zetaは、波による混合の強さを示す無次元数、波の速度に比例して増加する。上式は、波の周期の不均一な液膜への拡張が十分期待でき、実機レベルの吸収器の性能予測に有効であると考えられる。 本年度の結果は、第31回日本伝熱シンポジウム・札幌・1994年5月において発表予定である。またInt.J.Heat Mass Trans.へ投稿準備中である。
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