1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650204
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植田 利久 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (10151797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝本 雅彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60051710)
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Keywords | 乱流拡散火炎 / 局所消炎 / 火炎基部 / 格子乱流 |
Research Abstract |
バーナ管より燃料(水素窒素混合気)を噴出し,周囲には,上流部に設けられた乱流発生格子により任意の乱れを添加することができる空気流を流すことにより形成される同軸噴流拡散火炎を対象に,乱れと局所消炎の関係について検討を加えた。この火炎の場合,火炎基部に流れの乱れが直接作用するため,火炎基部とバーナ管の間に形成される消炎領域と乱れの関係が,火炎全体の安定性に対して極めて重要であることがわかった。そこで,本研究では,この火炎基部近傍に形成される消炎領域での局所消炎と乱れの関係,さらに火炎安定性との関連に着目し検討を加えた。その結果,以下の点が明らかとなった。 1.火炎は,バーナ管にそって形成される境界層内の大きなスケールの乱れの影響を引き金として吹き飛ぶ。その現象は極めて確率的である。 2.バーナ管と火炎基部の間に形成される消炎領域近傍の流体力学的構造を,レーザドップラー流速計(周波数シフタを備品として購入)を用いて詳細に測定した結果,火炎基部が吹き飛ぶ際には,流入する乱流の速度の最低速度が,消炎領域において燃料と酸化剤が混合することにより形成されると考えられる予混合気が有する層流燃焼速度とほぼ同程度となることが明かとなった。すなわち,火炎基部が乱れにより直接影響を受ける場合であっても,火炎安定性は,火炎基部の層流燃焼速度と流入する流れの速度とのつりあいにより説明できる。このことは,また,拡散火炎の消炎機構を説明するうえで有力と考えられているFlamelet Quenchingの考え方が,火炎基部近傍には適用されないことを示唆している。
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