1993 Fiscal Year Annual Research Report
サーモサイフォンにおける自然対流の分岐現象に関する研究
Project/Area Number |
05650216
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
忽那 泰章 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90029207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 洋一 龍谷大学, 理工学部, 助手 (80215954)
赤川 浩爾 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30031032)
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Keywords | サーモサイフォン / 自然対流 / 分岐現象 |
Research Abstract |
矩形密閉容器内にスペーサを挿入した場合の矩形サーモサイフォンにおける自然対流について,シリコンオイルに感温液晶パウダーを用いて可視化を行って実験的に把握した.また,同じ幾何学的形状のものを対象として数値シミュレーションを行い,自然対流の不安定現象が生じるかどうかを検証した. 可視化実験結果より,スペーサのない場合とスペーサが1本ある場合を比較すると,同じレイリー数であっても,スペーサがない場合には2次的な渦が成長して4つの渦のパターンになっているのに対して,スペーサの存在のために,渦の分割が妨げられ,依然として1つの大きな循環する渦が維持されていた.熱輸送の観点から考えると,渦が4つの場合には,上下方向の熱輸送は渦と渦の干渉によって行われるのに対して,スペーサを配置した場合には,1つの大きな流れで直接輸送されることになり,それだけ熱輸送特性が良くなるものと考えられる. また,スペーサを2本配置した場合については,低いレイリー数では,スペーサの間を上昇し,スペーサを取り囲むようにほぼ対称の渦が形成された.さらにレイリー数が大きくなるとスペーサの間を下降する流れから,2本のスペーサを囲むようにして1つの大きな渦が形成される流れに遷移する対流パターンが見られた. また,数値シミュレーションによって,内部にスペーサを挿入することによって対流の分岐開始条件をある程度制御することが可能であり,またスペーサの存在する場合の方がかなりよい熱伝達特性を示すことがわかった. 今後,スペーサの特性を断熱,伝導と変化させ,そのときの対流の変化を調べる.さらに,加熱区間や冷却区間を変化させ,自然対流の特性を把握する予定である.
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Research Products
(1 results)