1993 Fiscal Year Annual Research Report
不溶性混合冷媒のイナンデーション効果による凝縮伝熱促進
Project/Area Number |
05650218
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
寺西 恒宣 富山工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (20141880)
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Keywords | 凝縮熱伝達 / 不溶性混合冷媒 / 水平円管群 / 伝熱促進 / 共沸組成 |
Research Abstract |
低沸点有機系冷媒に水のような優れた物性をもつ無機物質を混ぜた二成分不溶性混合冷媒は,熱交換機の熱損失を低減しサイクル効率を改善しうるものとして注目されている。しかし,それらは相互に不溶性でかつ表面張力に差があるため複雑な凝縮挙動を呈し,実際の使用にあたってはこれらの凝縮形態との関連けのもとで伝熱特性を明らかにすることが必要となる。このような混合冷媒の凝縮熱交換器への適用とその高性能化を目的に,申請者はこれまで,鉛直および傾斜平板上への凝縮実験と理論的検討を行い,有機物の膜状と水の滴状を基本とする複合凝縮の挙動を追究するとともに,付着水滴の掃除効果を考慮した動的モデルの提示のもとで凝縮伝熱特性ならびに高性能凝縮面としての各種フィン付き面の伝熱促進に対する有効性を明らかにした。さらに,フィン付き円管での二成分凝縮は重力の作用が小さい管上半部での付着水滴の離脱低下のため,単一成分の場合ほどフィン効果が顕著でないことを明らかにした。本研究は,以上の観点から,膜状凝縮ではマイナスの効果となる管群のイナンデーションを積極的に利用しより一層の伝熱促進を図ることを目的に,ステンレス製の試験容器(上下5段階)および微視的観察用の円筒ガラス製試験容器(上下2段)を作成し,平滑ならびに正三角形フィン付きの水平円管上への四塩化炭素-水系の共沸組成混合蒸気の凝縮実験を行った。その結果, ・上段管および下段管における有機物の膜状と水の滴状を基本とする膜・滴混在凝縮の挙動が明らかとなった。 ・凝縮形態との関連づけのもと,イナンデーションによる伝熱促進機構が明らかとなった。 高性能凝縮面としてのフィン付き円管群に対する最適フィン形状・寸法が存在することが明らかとなった。以上,不溶性混合冷媒をもちいた凝縮諸機器の最適運転条件および装置設計に際し重要となる基礎的知見が明らかとなった。
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