1994 Fiscal Year Annual Research Report
サイリスタスイッチより生ずる伝導・放射雑音の防止の研究
Project/Area Number |
05650267
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 浩 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (00091653)
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Keywords | スイッチング素子 / サイリスタ / 伝導雑音 / 放射雑音 / ノイズフィルタ |
Research Abstract |
前年度に引き続きインバータ駆動の蛍光灯照明システムを例に取り,伝導及び放射雑音の計測とメカニズムの解明を行った。また,モデルとしてプリント基板上に置かれたスイッチング素子からの雑音放射の解明と防止の研究に力を注いだ。 1.蛍光灯からの雑音の実験的解明。蛍光灯からの雑音の発生源は(1)蛍光灯の放電,(2)安定化電源内にあるサイリスタスイッチの発生する雑音であることが実験で明らかになった。蛍光灯を正弦波駆動しても高調波波形歪が生じるので,インバータ回路を用いて高周波正弦波駆動した場合は,相当高いレベルの高調波雑音が,伝導でも放射でも発生することが明らかになった。 2.能動素子のスイッチ動作に伴う伝導及び放射雑音のメカニズムの実験的解明のために,プリント基板上に置かれたスイッチング素子からの雑音を計測した。最初に,近傍磁界センサーを使用して,プリント基板の配線上の近傍磁界雑音の強度分布を計測した。また,規格の3m法により電波雑音の計測も行った。プリント基板の厚さと導線の寸法とを変えてデータを採取したところ,スイッチング素子の出力電圧波形は余り変わらない場合でも,近傍磁界雑音はプリント基板上の位置や周波数で大きく変わることが明らかになった。次いで,プリント基板上にコイル型小型フィルタを装着した場合よりも基板の厚さを薄くした方が100から230MHzの周波数範囲で抑制される可能性が明らかになった。近傍磁界雑音と電波雑音とは,傾向は必ずしも一致しないが,基板の素材と寸法によって,雑音の抑制すなわち防止が可能になることが推定できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井上浩: "スイッチング素子と接続されたプリント線の近傍磁界雑音測定" 平成6年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 252- (1994)
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[Publications] 井上浩: "高周波点灯蛍光灯の雑音計測" 秋田大学鉱山学部研究報告. 15号. 73-79 (1994)
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[Publications] 田中元志: "近磁界プローブによるプリント配線基板からの雑音放射計測" 1995年電子情報通信学会総合大会講演論文集. (1995)