1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650268
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Research Institution | Ibaraki Universitv |
Principal Investigator |
堤 泰行 茨城大学, 工学部, 教授 (90217349)
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Keywords | 燃料電池 / リン酸 / 撥水性 / 性能 |
Research Abstract |
リン酸型燃料電池を高出力密度することを目的とし、高出力密度での性能安定化のため触媒層へのリン酸含浸とリン酸移動について研究した。 リン酸含浸を促進する方法として、減圧含浸法、超音波含浸法、アルコール法、電位法、及び濃縮リン酸法を試みた結果、機械的な外力を利用した前の二つの方法は、リン酸含浸に殆ど効果がなく、界面張力に関係する後の三つの方法でリン酸含浸を促進する効果がみられた。しかし、アルコール法は、リン酸が含浸されたにもかかわらず電極性能が向上しない結果となった。電位法と濃縮リン酸法は含浸の促進に効果があるだけでなく、高電流密度運転での電極性能の安定化にも効果があり実用性が高いことが判明した。 リン酸の含浸によって安定な運転が可能となった燃料電池が、性能不安定条件までどの程度余裕があるかを調べる方法として、空気と窒素を混合した酸素希薄ガスを用いて、性能不安定を起こす酸素濃度を測定する診断法を開発した。測定した酸素濃度が空気中の酸素濃度に近ければ、性能不安定条件に近いと判断される。 燃料電池は、負荷変動や起動・停止を繰り返すと性能低下が大きいと云われ、現在実証運転中のものは、殆ど一定負荷で運転されている。負荷変動や起動・停止の過程でリン酸の濃度が変化するため、これを模擬した実験を行ったところ、リン酸の濃度を変化させることにより電極の特性低下が大きくなることが明らかとなった。リン酸の濃度変化を抑制した燃料電池の運転方法を推奨した。
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Research Products
(1 results)