1994 Fiscal Year Annual Research Report
液相法によるGeSiバルク混晶の成長と熱電変換デバイスへの応用
Project/Area Number |
05650295
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
助川 徳三 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30006225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 昭 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022265)
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Keywords | 熱電素子 / ゲルマニウム・シリコン混晶 / バルク結晶 / 液相成長 / 引上げ法 / p-n接合 / 酸化 |
Research Abstract |
高効率熱電素子の開発に不可欠な、1)均一組成のGeSiバルク混晶の成長法、2)不純物濃度の制御技術、および素子化技術に関する研究をおこない、総括した。 1)yo-yo溶質供給法において、複数枚のSi基板を垂直方向に等間隔で配置すれば、中央基板上面は上の基板への成長のための溶質源として溶解し、下面は下方から供給されるGeSiの成長用基板として働き、充分なyo-yo回数の後には中央のSi基板はGeSi混晶に置き換えられる。三枚のSi基板によって実験した結果、62回のyo-yo回数で、0.4mm厚のSi基板を期待通りにGeSi混晶に変換することができ、混晶基板の量産可能なyo-yo法バッチシステムを開発することができた。 さらに、均一組成のバルク混晶成長技術として、本申請者らが開発した溶質供給チョクラルスキー(CZ)法をGeSi混晶系に適用する実験をおこなった。通常のCZ法による引き上げ実験を通じて、成長条件に関する必要な知見を得た後、本成長法による実験をおこない、溶質Siの供給下の1050℃一定温度で、均一組成のGeSi混晶を引き上げることができた。 2)Snを溶媒とするn型混晶の成長技術の開発に続き、Ga添加によるp型混晶の成長と正孔濃度の制御実験をおこない、キャリア濃度が10^<18>- 10^<19>cm^<-3>で制御された混晶を成長できるようになった。 3)これを基に、p-n接合を作製するなどの実験を進め、基本的デバイスの作製技術が開発できた。さらにパッシベーション技術を目的とするGeSi混晶の酸化実験から、SiとGeとの酸化速度の違い等、今後のデバイスプロセスに重要な知見を得ることができた。 以上のように、電気的特性の制御と共に均一組成のバルク混晶の成長技術が開発でき、今後の高性能GeSi熱電素子の開発研究に大きな貢献をなす成果が得られた。
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