1993 Fiscal Year Annual Research Report
結晶質導線を内部コアに有する複合アモルファス磁性細線コイルレスインダクタンス素子
Project/Area Number |
05650306
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 二郎 九州工業大学, 工学部, 教授 (40108668)
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Keywords | アモルファス / インダクタンス / コイルレス / 磁気ひずみ / 高周波 |
Research Abstract |
負磁歪を有するCo-Si-Bアモルファスワイヤはバンブー状の磁区模様を呈し、大きな円周方向の磁化成分を有する。このユニークな磁区構造は回転液中での液体金属急冷時にワイヤに導入される残留応力と磁気歪みの相互作用による磁気異方性、および、ワイヤの2次元形状異方性に基ずくものである。このため、電流を直接通電すれば、これにより発生する円周磁界で大きな磁化変化が誘導されるので、励磁巻線を必用としない微小インダクタンス素子としての利用が期待される。本研究では磁気歪みが零に近いアモルファスワイヤを作製して、熱処理および線引処理を施して磁気歪みの応力依存性を調べ微小インダクタンス素子の開発を試みた。その結果以下の項目が明かとなった。 (1)アモルファスワイヤの磁気歪みは値が小さい範囲では熱処理によるアモルファス構造の規則化により正の側へシフトする。 (2)細線化したアモルファスワイヤは200MPa程度の残留応力を蓄えている。アモルファス磁性体の磁気歪は応力による原子間歪みで減少することが予測されるが、期待される減少を示さない。 (3)組成熱処理を最適化することにより、線径120mum長さ1cmのワイヤにより500Hzにおいて80muHの大きなインダクタンスが得られた。巻線を必用としないので電子回路基板状に回路素子としてマウントし、簡単なインダクタンス素子としての仕様が期待される。 (3)線引により線径を50mumに細線化することにより、100KHz程度の高周波域で使用できるインダクタンス素子を得た。 (4)急冷速度を制御することにより、アモルファスワイヤ内部を結晶質として電気抵抗率を下げることにより、高周波域でのQ値を数倍に向上させる事ができる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] J.Yamasaki,M.Takajo,H.B.Humphrey: "Mechanism of Re-entrant Flux Reversal in Fe-Si-B Amorphous Wires." IEEE Transaction on Magnetics. 29(6). 2545-2547 (1993)
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[Publications] M.Takajo,J.Yamasaki,F.B.Humphrey: "Domain Observation of Fe and Co Based Amorphous Wires" IEEE Transaction on Magnetics. 29(6). 3484-3486 (1993)
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[Publications] D.Atkinson,P.T.Squire M.R.J.Gibbs,J.Yamasaki: "High Resolution △E Measurement of Fe-Si-B Amorphous Wires" IEEE Transaction on Magnetics. 29(6). 3478-3480 (1993)
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[Publications] 高城 実.山崎 二郎 他: "アモルファスワイヤの通電によるインダクタンスの高周波特性" 日本応用磁気学会誌. 18(2). (1994)