1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650308
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
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Keywords | レーザディポジッション / Sm-Fe-N / 窒化物 / 磁石 / 窒化 |
Research Abstract |
本年度の研究では、まずスッパタリング装置を用いての作製を試みたが、窒素分圧の可変範囲が狭いためSm_2Fe_<17>を十分に窒化させることができなっかった。そこで、成膜条件をより広範囲に変化させることができるレーザディポジッション装置を取り入れ,広い範囲の窒素圧中でSm_2Fe_<17>をディポッジッションした.その結果 窒素圧20mTorr以下でディポジッションした際には強磁性Sm-Fe非晶質膜が得られる.この膜を400℃以上で熱処理することにより,SmFe_9膜が得られる.この膜を窒化すればある程度の保磁力が得られる. 窒素圧20mTorr程度でディポジッションした際にはSm_2Fe_<17>と非晶質が共存した膜ができる.この膜を熱処理すると磁気的には単相状態となるが生成物のキュリー温度は熱処理時間と共に徐々に増加していく.この生成物が何であるかは現在のところ明確になっていない。 窒素圧30mTorr以上では窒素を含むSm-Fe-N膜が得られるが,この膜は非晶質状態となり磁石特性を示さない.この膜を500℃程度で結晶させるとSmFe_9が得られる.が明かとなった.SmFe_9およびSm_2Fe_<17>を窒化すれば,磁石特性が得られると考えられる。しかしながら,本研究の目的は直接製造法の開発であるので,磁石特性を有するSm-Fe-N膜を直接得るための、最適ディポジッションの条件と結晶化条件を更に検討中である。特に、基板温度と窒化の程度の関係および結晶化条件を今後重点的に検討する予定である。
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