1993 Fiscal Year Annual Research Report
水素化アモルファスシリコン薄膜の微結晶化温度の高精度測定法の開発
Project/Area Number |
05650312
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
本橋 光也 東京電機大学, 工学部, 助手 (60239580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 久美 東京電機大学, 工学部, 助手 (80231926)
本間 和明 東京電機大学, 工学部, 教授 (90057208)
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Keywords | アモルファスシリコン / 結晶化温度 / 水素放出特性 / 膜構造評価 |
Research Abstract |
本研究では,水素化アモルファスシリコン(a‐Si:H)膜の微結晶化温度を,膜の水素放出特性から高精度で測定する方法を確立するため,水素放出特性測定装置の改善を行うとともに,本測定装置の性能及び微結晶化による膜構造変化について検討した。以下1および2に本年度の研究成果を示す。 1.水素放出特性の測定装置の改善 測定装置の真空排気ポンプを油拡散ポンプからターボ分子ポンプに付け替え,排気系のクリーン化を行った。さらに,測定条件として,測定時の真空度,加熱速度及び分析計の感度等の検討を行った。その結果,水素放出特性のノイズが低減し,データの再現性及び信頼性が向上した。また,コンピュータを用いたデータ処理システムを開発し,データ処理の迅速化を図った。 本測定装置の性能及び微結晶化による膜構造変化の検討 a‐Si:H膜の微結晶化に伴う膜構造変化を,水素放出特性とX線回析から測定し,両者の比較検討を行った。また,この構造変化と,キャリアの移動度・寿命等の電気的特性との関係を検討した。その結果,上記1で示した改善により,水素放出特性を用いた微結晶化温度の測定精度が向上したことが確認された。さらに,膜中の微結晶幼核,ボイド等の微細構造が膜の微結晶化温度に反映することが分かった。 以上より,平成5年度の当初の目的は,ほぼ達成されたと思われる。本研究の微結晶化温度の高精度測定法は,単に,微結晶温度の測定のみならず,従来にはなかった新しい膜構造評価法となるものと思われる。
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