1994 Fiscal Year Annual Research Report
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05650318
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山村 泰道 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10068900)
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Keywords | モンテカルロ.シミュレーション / 2体衝突近似 / クラスターイオン / イオン・インプラーンテーション / チャネリング / デイチャネリング / 多体効果 / 時間発展的シミュレーション |
Research Abstract |
クラスターインプランテーションの研究にとって、最も重要なことはシミュレーションコードDYACAT,DYACOCTの精度を高めることにある。そのためには多くの実験のある事例を選び、シミュレーションをして結果を比較する必要がある。なぜなら、クラスターインプランテーションは未だ実験の報告例がないからである。そのひとつの例として、よく実験値の報告されている放射線損傷分野のはじきだしエネルギーをDYACOCTを用いて計算し、実験と比較した。その結果、DYACOCTはよい評価を与えることが判明した。また、クラスター照射に関する研究として、重水クラスターおよび重イオンクラスターによるクラスター衝撃核融合のシミュレーションを実行しクラスター照射におけるクラスター効果についての計算を行なった。クラスター効果のうち加速効果については原子あたりのエネルギーが小さいほどその効果は大きいことが判明した。これは弾性散乱断面積が低速ほど大きくフェルミシャトル過程の可能性が大きいことに対応している。また、つゆはらい効果については入射粒子の質量が標的原子のそれよりも大きい場合に顕著であり、クラスターサイズが大きければより大きい効果を生むことがわかった。このことからクラスターインプランテーションにおいてはつゆはらい効果を利用するべだから、本研究ではAsイオンをシリコン結晶にインプラントすることを考える。最近、Armigiato等による1.06MeV Asイオンをシリコンの(100)面に照射したSIMSの深さ分布は2つのはっきりしたピークを持っていり、彼らは1.06MeV Asイオンによるランダム・ピークと(110)面チャネリング・ピークであると結論した。しかし、我々のシミュレーションで結果は、浅い方のピークはビーム系に含まれる不純物としての分子イオンのランダム・ピークであり、深い方のピークは1.06MeV Asイオンのランダム・ピークであり、(110)面チャネリング・ピークはもっと深い方にでることがわかった。クラスターインプランテーションの観点からいって、他の可能性を検討したところ、20keV Asイオンの、<110>軸チャネリングのチャネリング・ピークを用いる方がよいことがわかった。
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[Publications] 山村泰道: "計算機シミュレーションを用いたイオン固体相互作用の研究" プラズマ・核融合学会誌. 14. 591-596 (1993)
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[Publications] Y.Yamamura,T.Muramoto: "Time-Evolution MC Simulauon of Ffa 100eV/atom Cluster Impacts" Radiation Effects and Deffects in Solids. 130/131. 225-233 (1994)
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[Publications] Y.Yamamura,T.Muramoto: "Eneegy property of the impact region due to heavy-watcr clustcr impacts on a TiDtargct" Nucl.Instr.Methods. B93. 26-36 (1994)
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[Publications] Y.Yamamura,: "Computer Simulation of Sputtering and Cluster formation" Proc.9th International Conference Secondary Ion Mass Spectroscopy (SIMSIX). 9. 3-9 (1995)
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[Publications] Y.Yamamura,T.Muramoto: "Simulation of heavy-Ion Cluster Impact Fusion" Nucl.Instr.Mehods. in press.
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[Publications] Y.Yamamura,S.T.Nakagawa,and H.Tawara: "Simulation of Iow-energy HCI-Solid Interaction" Nucl.Instr.Mehods. in press.
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[Publications] 山村泰道 その他: "イオンビーム工学(イオン・固体相互作用編)" 内田老鶴園, 363 (1995)