1993 Fiscal Year Annual Research Report
圧電性五酸化タンタル/パイレックスガラス複合ダイアフラム構造超音波デバイスの試作
Project/Area Number |
05650324
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 正恆 千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 研也 千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353)
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Keywords | 五酸化タンタル / 酸化亜鉛 / 超音波 / マイクロマシニング / センサ / トランスジューサ / スパッタ / マイクロマシン |
Research Abstract |
本研究では、五酸化タンタルの大きな誘導率と強い圧電性に着目し、五酸化タンタル/パイレックスガラス複合圧電ダイアフラム構造を実現すると共に、これを利用して、低挿入損失で広周波数帯域幅を有する非破壊検査用超音波トランスジューサや液体・ガスセンサ用ラム波板波デバイスを実現することを目的とする。 五酸化タンタル成長に利用する対向ターゲットスパッタ法の特性の理解を目的として、性質が比較的よく調べられている酸化亜鉛薄膜の成長を試みた。その結果、本スパッタ法は通常のマグネトロンスパッタ法に比べて低ガス圧で高速成長可能であり、緻密で配向性に優れた酸化亜鉛圧電薄膜が実現できることが判った。但し、直流電源を利用した場合、低ガス圧下では異常放電のために膜質が劣化することが判った。今後、高周波電源を利用することにより、更なる薄膜品質の向上を計ると共に、五酸化タンタル薄膜成長へ対向ターゲットスパッタ法を適用する予定である。 また、複合ダイアフラムの作製プロセスについても検討している。その結果、ダイアフラムの歪は、シリコン基板の異方性エッチングの際に使用する薬品との化学反応により生じることが判った。そこで、エッチング液、ダイアフラムの薬品耐性、並びに作製手順の3つの観点から、ダイアフラムの最適作成手法を探索し、高い留まりで比較的良質なダイアフラムを作製することに成功している。 更に、このプロセスと共に犠牲層エッチング技術を利用することによって、パイレックスガラス/酸化亜鉛/パイレックスガラス複合ダイアフラム構造を中空部分を介して基板の上に作製するプロセスを実現した。また、これを利用して超小型の超音波トランスジューサの試作に成功した。このデバイスをアレイ状に配置することにより、マイクロマシン用超音波イメージセンサが実現できるものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口正恆: "Composite Diaphragm Ultrasonic Transducers Empoloying Air-Gap Structure" Japanese Journal of Applied Physics. 32. 2321-2324 (1993)
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[Publications] 山口正恆: "浮き構造を用いた超小型超音波トランスジューサ" 第22回EMシンポジウム予稿集. 1-5 (1993)
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[Publications] 山口正恆: "浮き構造を用いた超小型超音波トランスジューサ" 日本学術振興会第150委員会研究会資料. 11-16 (1993)