1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650333
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
山本 達夫 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (60022125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 真二 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (60172285)
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Keywords | 負性抵抗 / トンネル / スイッチング / GaAs / 窒化シリコン膜 |
Research Abstract |
スライボート法の液相成長装置を製作、この装置を用いてp^+GaAs基板上にn層を成長させ、p^+n接合を形成可能とした。成長法としては温度差法を用いたが、成膜膜厚の分布はあるものの成長時間にほぼ比例した成長が可能となった。なお、成長層のキャリア密度は約4×10^<16>cm^<-3>である。 トンネル層として窒化シリコン膜をプラズマCVD法により成膜した。その成膜速度は、再現性良く約13nm/分である。まず、GaAsのn形基板上に薄い窒化シリコン膜を付けたMIS型の素子を製作し、窒化シリコン膜厚と電流の立ち上がり電圧の関係は約6.4V/10nmとなり、これにより窒化シリコン膜厚を選択した。 GaAsへのオーミック電極作成については、Au-Zn合金をソースとした蒸着と450°Cでの熱処理によりほぼ良好な電極作成が可能となった。 これらの結果を踏まえて、作成したGaAs-p^+nダイオード基板のp^+側にオーミック電極を付け、n側に窒化シリコン膜によるトンネル層を成膜し、さらにその上にAl電極をつけてMISS型の素子を試作した。この素子では、スイッチング電圧15〜35V、電流7〜20mAなる負性抵抗特性が得られているが、オン状態での電圧が10V以上と高く、この電圧をより小さくすることが不可欠で、さらにオフ状態での電流もより小さくする必要がある。この問題の解決のためには、トンネル層の膜厚や成長したn層の膜厚の最適化、リーク電流の低減化等の対策を講じていかなければならないと考えている。なお、トンネル層の材料として多結晶シリコン膜を用いての試作も併行して行っているが、再現性が悪く検討中である。
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