1993 Fiscal Year Annual Research Report
情報エンジン(通信機+計算機)網における情報処理の理論と設計手法の研究
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05650363
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
渡部 和 創価大学, 工学部・情報システム学科, 教授 (00240515)
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Keywords | 情報ネットワーク / 情報エントロピー / 情報エンタルピー / 情報伝達 / 情報処理 / 情報エンジン / 応答時間 / 最小応答時間ネットワーク |
Research Abstract |
本年度は主として情報ネットワークの基礎理論の構築を中心として研究を進めた。その主な理論的成果は下記の通りである。尚、実験的研究については本年度ようやく器材を導入出来たので、来年度以降順次実験システムを整備しつつ理論研究と平行して進める予定である。 1情報の基本量の定式化 情報源記号Xの集合の記号あたりの平均情報量はXが大きくなるにつれてエントロピーH(X)に収斂することが情報理論の基礎となっている。本研究ではXに論理機械による論理操作を作用させる場合を考察し、情報エンタルピー(Enthalpy)W(X)の概念を提案した。W(X)はXに有効論理仕事Qが施された場合の情報記号あたりに加えられた平均有効論理仕事量である。またWとHの比T(X)=W(X)/H(X)を情報活性度と定義した。ここで有効論理仕事は仕事の保存則を満たす場合(コンパクト等情報量集団)を考察する。 2情報エンジンの作用 情報の伝達/処理/蓄積作用を有する情報システムを情報エンジンとし、その限界能力をそれぞれ伝達用量C_t、処理容量C_p、情報能力PSIとする時、(無誤差条件下では)基本式PSI=C_t×C_pが成立する。情報エンジンはこれらの基本量を変化させる機関として定義される。 3情報エンジン網(情報ネットワーク)の性質 情報エンジンが相互に結合した情報ネットワークにおいて、情報が流れの保存則に従い、論理仕事が仕事の保存則に従う時、情報活性度は圧の平衡則に従い、等価的電気回路解析が可能となる。特に最小コスト網は最小発熱回路に対応し分散処理システム設計の重要な指針を与える。 4情報ネットワークの応答時間特性 ネットワークの三つの応答時間(伝達、処理、動作)を最小とするネットワークを定義し、その基本的性質を導いた。特に動作応答時間を最小とするネットワークとして基準情報ネットワークの概念を提案した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 渡部和: "情報ネットワークの基礎理論" 電子情報通信学会第5回回路とシステム軽井沢ワークショップ. Vol.5. 191-199 (1992)
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[Publications] Hitoshi Watanabe: "A Basic Theory of Information Network" IEIC Transactions on Fundamentals of Electornics,Communication and Computer Sciences. Vol.E76-A No.3. 265-276 (1993)
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[Publications] 渡部和: "情報エンジンとコンパクト等情報量集団-情報ネットワーク序論-" 1993年電子情報通信学会春季大会. 分冊1 A-1. 1-267-267 (1993)
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[Publications] Hitoshi Watanabe: "Network Theory of Information Engines" 1993 IEEE International Symposium on Circuits and Systems. Vol.4. 2568-2571 (1993)
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[Publications] 渡辺和: "情報エンジン網の応答時間特性-情報ネットワーク論(2)-" 1994年電子情報通信学会春季大会. (発表予定). (1994)
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[Publications] Hitoshi Watanabe: "Theory of Information Network-Properties of Minimum Respons Time Network" 1994 IEE International Symposium on Circuits and Systems. (発表予定). (1994)