1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650401
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平井 一正 神戸大学, 工学部, 教授 (30031058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潮 俊光 神戸女学院大学, 人間科学部, 助教授 (30184998)
藤崎 泰正 神戸大学, 工学部, 助手 (30238555)
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Keywords | カオス / 非線形システム / 大規模システム / カオス制御 / カオス同期 / 自律分散 |
Research Abstract |
1.非線形複合システムの自己組織化機能の研究:複数個の非線形システムが結合して,全体として調和のとれた振舞いをすることを自己組織化という.この機能を研究するために,ポテンシアル関数の概念を用いて,二つの非線形発振器が結合したとき,その周波数,位相が同期するメカニズムを研究した. 2.大規模生産システムにおける振動とカオスの研究:大規模システムの例として,複数個のバッファをもつ機械で,部品を加工する生産システムを考える.機械がどのバッファの部品を選択するかで,バッファの中にたまる部品の量が増減し,それが振動となる.パラメータ条件によっては,その振動がカオスになる.本研究ではパラメータを種々変えて,このシステムに起こる非線形振動を研究した.今後,一台の機械で発生した振動が,その影響を全体に波及しないための条件を研究する. 3.カオスの制御の研究:最近カオスを外部フィードバックによって制御するという研究が盛んであるが,その代表的な方法であるOGY法は,不安定不動点がアトラクタの中に埋め込まれていなければ有効でない.本研究はこのような場合に対しても制御できる方法を開発したもので,大規模システムへの応用が考えられる. 4.カオスの同期の研究:カオス的振動であるが,いくつかの状態が等しくなる現象をカオスの同期化とよび,伝送システムなどに利用されている.本研究は,一方向に結合のある一次元ニューラルネットワークを考え,連続したニューロンの同期化の方法,また任意のニューロンの同期化の方法などを研究した.
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[Publications] 平井一正 他1: "非線形複合発振器の同期現象" 電子情報通信学会論文誌. J76-A. 612-617 (1993)
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[Publications] 上田秀樹 他2: "Perkins-Kumarモデルで表わされる生産システムの安定性" 電子情報通信学会非線形問題専問委員会技報. NLP-93-1. 31-37 (1993)
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[Publications] Ueda,H.et al: "Oscillations in a single machine system with limited processing time policy" Proc.of Int.Symp.on Nonlinear Theory & its Applications. 1395-1398 (1993)
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[Publications] 潮俊光: "1次元1方向結合のカオスニューラルネットワークにおけるカオス同期化" 電子情報通信学会非線形問題専問委員会技報. NLP93-50. 21-26 (1993)
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[Publications] 潮俊光: "1次元双方向結合ニューラルネットワークのカオスの同期化と制御" 電子情報通信学会非線形問題専問委員会技報. NLP93-76. 95-102 (1994)