1994 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック構造解析によるコンクリートの非線形力学特性の解明に関する研究
Project/Area Number |
05650429
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Research Institution | YOKOHAMA NATIONAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
椿 龍哉 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40134902)
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Keywords | コンクリート / 非線形力学特性 / メゾスコピック構造 / 破壊 / 数値解析 / シミュレーション / 並列計算 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では、コンクリートのメゾスコピック構造、すなわち粗骨材レベルの寸法の微小構造の影響を考慮した数値シミュレーションを行い、コンクリートの破壊時の非線形材料特性に関連する力学的諸要因の影響度を明らかにするための基礎資料を得ることを目的とする。このために、メゾスコピック構造解析用の数値解析モデルの構築と、数値解析を効率化するための計算手法の確率を試みる。 最終年度である平成6年度では、メゾスコピック構造解析用の数値解析モデルの改良と数値解析の効率化、および数値解析モデルの妥当性の検証のための実験を行い、以下のような成果を得ることができた。 1.数値解析モデルの改良については、コンクリートの破壊時の挙動を適切にシミュレーションできるように、本研究者が提案している有限要素法に基づく「コンクリート要素」と、剛体要素と非線形ばねを用いる個別要素法の両者の特長を考慮した微小構造単位要素を用いる解析手法を開発した。数値シミュレーションにより、この数値解析モデルがコンクリートのひずみ軟化域の挙動を含めた非線形力学特性を解明するために有効であることを確認した。また、数値解析の効率化については解析領域のブロック分割化による並列計算の手法を用いることが有効であることを確認することができた。 2.数値解析モデルの検証のための実験では、鋼材で作成された人工骨材を用いた二次元モデルコンクリート供試体を一体圧縮載荷した。この実験により、粗骨材の形状、寸法、配置、モルタルとの付着、およびモルタルの強度がコンクリートの応力ひずみ関係、破壊モードにおよぼす影響を明らかにすることができた。
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[Publications] 椿 龍哉: "Numerical Simulation of Internal Falluve Behavior of Concrete Related to Creap under Compression" Transactions of the Japan Concrete Institute. Vol.16. (1994)
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[Publications] 椿 龍哉: "微小構造単位要素のモデル化と材料特性のシミュレーション" 構造工学における数値解析法シンポジウム論文集. 18. 465-470 (1994)
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[Publications] 椿 龍哉: "微小構造単位要素による脆性的材料の変形挙動解析" 構造工学における数値解析法シンポジウム論文集. 17. 277-282 (1993)