1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650437
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原田 哲夫 長崎大学, 工学部, 助教授 (50136636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩 長崎大学, 工学部, 助教授 (20157324)
崎山 毅 長崎大学, 工学部, 教授 (30039664)
小森 清司 長崎大学, 工学部, 教授 (90087271)
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Keywords | 連続繊維緊張材 / 定着法 / プレストレストコンクリート / 定着具 / 膨張材 / CFRP / ノンメタリック定着具 |
Research Abstract |
本研究の大きな目的は、実用可能なノンメタリック定着具の開発にある。本年度も昨年度に引き続き、実際の施工を念頭において、耐力、変形性能およびそれらの長期性状に優れたノンメタリック定着具の開発研究を実施した。その結果、ほぼ実用に供し得るレベルの定着工法の開発を行うことができ、当初の目標は達成したと考えている。 以下に、これまで得られた知見を列挙する。 1.CFRPスパイラルを円周方向補強筋、CFRPロッド/ストランドを軸方向補強筋とし、加熱硬化タイプのエポキシ樹脂をベースにしたレジンモルタルをバインダーにしたスリーブを作製し、圧縮試験によって耐荷力、変形性能を調べた結果、CFRPストランド(φ12.5)緊張材として用いる場合には、耐荷力にたいしては4倍の安全率があり、変形はほぼ弾性的であった。 2.軸方向の剛性は、CFRPロッド/ストランドの断面積、すなわち軸方向補強筋比にほぼ比例することがわかった。スリーブ作製の容易さから、軸方向補強筋比は4〜5%が適当と考えられる。 3.定着用膨張材を用いたノンメタリック定着具の定着方法は、いわゆる口元定着であって、プレテンション方式の伝達長に相当する部分が現れる。この場合の定着機構を明らかにし、ノンメタリック定着具としての必要定着長を決定する方法を明らかにした。 4.定着具の設計のために、積層材料の構造力学が適用可能であることがわかった。 5.開発したノンメタリック定着具を用い、定着用膨張材による長期の緊張力の抜け特性を調べた結果、金属スリーブを用いる方法と同等の性能を有することがわかった。 6.ポストテンション方式のPCはりを作製し、ノンメタリック定着具を用いた緊張定着作業を実施したところ、実用的な定着工法として十分満足できるものであった。 7.このPCはりの曲げ載荷試験を実施した結果、緊張材が破断して終局状態に達しても、定着具にはなんら変状は見られなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原田哲夫: "定着用膨張材を用いたFRP緊張材の定着機構の一考察" コンクリート工学年次論文報告集. 16 No.2. 1135-1140 (1994)
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[Publications] 徳光 卓: "連続繊維補強材のノンメタリック緊張定着工法開発に関する研究" 第4回プレストレストコンクリートの発展に関するシンポジウム論文集. Vol.4. 283-288 (1994)
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[Publications] Tetsuo HARADA: "DEVELOPMENT OF NON-METALLIC ANCHORING DEVICESE FOR FRP TENDONS" Proceedings of Second International Symposium on Non-Metallic Reinforcement for Concrete Structures,Ghent,Belgium. (印刷中). (1995)