破壊力学に基づいた高耐久性コンクリート構造物のひびわれ進展予知技術の開発

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05650438
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 大津 政康 熊本大学, 工学部, 教授 (80109016)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村上 聖 熊本大学, 工学部, 助教授 (80182088)
• Keywords: 破壊力学 / 高耐久性コンクリート / ひびわれ / アコーステイック・エミッション

Research Abstract

平成5年度は、アコーステイック・エミッシヨン(AE)法を用いた逆波形解析法に関する研究として、計測系のマイクロコンピュータ制御システムの開発を行った。そして、モーメントテンソル成分を波形から決定し、固有値解析からせん断寄与分と引張寄与分を求めることにより、卓越する寄与分のタイプに分類する方法が確立できた。この場合に、ひび割れの運動方向は固有ベクトルの方向として決定されることも明らかにした。この計測・解析システムの有効性は、鉄筋コンクリート製モデルの実験における波形収録および波形解析によって確認した。
次に、コンクリート材料の破壊力学パラメータである限界応力拡大係数、破壊エネルギー、引張軟化モデルなどにおける試験値を高耐久性コンクリート、鋼繊維補強コンクリート、普通コンクリートにおいて実験的に検討し、寸法効果の影響なども考察した。
さらに、破壊力学に基づいたBEM解析手法に関する研究を行い、線形破壊力学に基づいた任意方向への自動メッシュ生成によるひび割れ進展解析ソフトウェアの開発を実施した。当初に計画していた非線形破壊力学に基づいたひび割れ進展解析ソフトウェアの開発は、次年度に含まれることになった。

Research Products

• [Publications] 重石光弘,大津政康,油野邦弘: "AE波形解析による混合モード破壊機構の同定" コンクリート工学年次論文報告集. 15. 495-500 (1993)
• [Publications] 福地伸一,岡崎亮男,大津政康,友田祐一: "引張軟化モデルを用いたコンクリートのひびわれ進展挙動のBEM解析" コンクリート工学年次論文報告集. 15. 377-382 (1993)
• [Publications] A.CRaRrour,福地伸一,大津政康,友田祐一: "BEM Analysis of Mixed-Mode Crack Propagation in Center-Notched Concrete Beams" コンクリート工学年次論文報告集. 15. 1291-1296 (1993)
• [Publications] 大津政康,A.H.CRaRrour: "破壊力学に基づいたコンクリートのひびわれ進展予測のBEM解析" 第20回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集. 63-68 (1993)
• [Publications] 浦野登志雄,村上聖,三井宜之: "鋼繊維補強コンクリートの曲げ性状に及びぼすはり寸法依存性" セメント・コンクリート論文集. 47. 588-593 (1993)
• [Publications] 大津政康,重石光弘: "Quantitative Nondestructive Evaluation of Cracks in Concrete by Acoustic Emission SiGMA Analysis" Proc.3rd SAMPE Symposium. 2324-2329 (1993)