アレイ観測記録の新しい解析方法の開発と入力地震時空間波形の提案

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05650445
• Research Institution: Saitama University
• Principal Investigator: 川上 英二 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50125887)
• Keywords: 地震 / 地盤震動 / シミュレーション / 地中構造物 / アレイ観測 / 地震動 / 波動 / 波形解析

Research Abstract

本研究の目的は,アレイ観測データの解析方法を開発し,実際に多くの記録を解析することにより,地盤条件の影響を明らかにすることにある.そして,その一つの利用方法として,地中構造物の設計に使用できる代表的で現実的な入力時空間波形を作成することを目的とした.主に以下の3点についての成果を得た.
1.アレイ観測地点間の波動の伝播の様子の推定方法を開発した.
複数地点で観測された地震波形から,波動の反射・透過などがどのように行われているかを推定した.その際,アレイ観測データを,多次元のパラメトリックモデルで表した.
2.クロススペクトル,相互相関関数を算定し,地盤条件との関係を検討した.
アレイ観測のデータベースに基づき,地震波動の見かけ速度,コヒーレンシーの値の分布を調べた.地盤の種別,波動の種類,変位の方向などの,クロススペクトル,相互相関関数への影響を検討した.
3.時間・空間の連続的な関数としての地震波形をアレイ観測記録から推定する方法を開発した.
地中構造物の耐震設計を行う際,入力波形としてアレイ観測記録を直接に使用することはできない.何故なら,地盤ばねの間隔とアレイ観測点間の間隔が,一般には一致しないためである.本研究では,観測点間の記録を内挿する方法を開発した.

Research Products

• [Publications] 川上英二,小野牧夫: "多入力線形システム理論に基づく観測記録を含む時空間地震波形" 土木学会論文集. No.489. (1994)
• [Publications] 川上英二,小野牧夫: "多変数ARモデルを用いた観測記録を含む時空間地震波形" 土木学会論文集. No.489. (1994)
• [Publications] 川上英二: "東京の震災対策と都市ライフライン" 都政研究. 26. 4-9 (1993)
• [Publications] 川上英二: "ライフライン復旧について-釧路沖地震の場合-" 行政管理. 44. 22-28 (1993)
• [Publications] 小谷俊介,川上英二 他: "1992年トルコ地震災害調査報告" 丸善,日本建築学会, 221 (1993)