1993 Fiscal Year Annual Research Report
動的応答解析と構造信頼性理論による鋼道路橋の疲労損傷度予測システムの開発
Project/Area Number |
05650456
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 隆弘 広島工業大学, 工学部, 教授 (90087974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川谷 充郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029357)
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Keywords | 鋼道路橋 / 交通荷重 / 動的応答解析 / 累積被害損傷則 / 疲労損傷確率 |
Research Abstract |
(1)走行車両による道路橋の動的応答解析 道路橋の交通振動を解析的に扱う場合,実際の現象を表現できる橋梁と車両のモデル化および解析手法の確立が必要である。橋梁を曲げとねじりを考慮した平面構造のはりにモデル化するとともに,大型ダンプトラックを前後車輪を考慮した2自由度振動系でモデル化し,左右の車輪の走行位置における路面凹凸の測定値を用いて,モード法によry橋梁と走行車両の錬成連成振動の微分方程式を逐次積分して時系列応答解析を行った。結果は実測の結果とよく一致した。すなわち,車両の走行に伴う主桁の動的応答の変動,および外桁と内桁の動的応答の差異が,車両速度の異なる場合について実測結果と良好に一致した。ただ,実橋の疲労損傷は細部構造に多く発生する。したがって,今後は細部の動的挙動を算定できる3次元動的応答解析を目指す。 (2)静的走行荷重モデルによる道路橋の疲労損傷解析 主桁端部に円弧状のコーナー部を有する単純活荷重合成桁の断面力(曲げモーメントとせん断力)の影響線を3次元骨組構造解析によって求め,橋に作用する軸重列をできるだけ実態に合うようにシミュレートして,耐用年限における着目断面の曲げモーメントとせん断力の頻度分布を求めた。次に,疲労亀裂が主桁端部のコーナー部の法線方向に発生することが多いことに注目し,断面の曲げモーメントとせん断力とによって法線方向応力を算定する方法を採用して,同応力の頻度分布を産出した。さらに,その結果に基づき,鋼材の疲労寿命のばらつきを考慮した確率論的累積疲労損傷理論によって主桁端部の疲労破壊に対して信頼度を算定し,コーナーの曲率半径等,疲労寿命に影響を及ぼすパラメータと疲労寿命の関係を確率論的に考察することができた。
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Research Products
(1 results)