1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650485
|
Research Institution | Utsunomiya Univ. |
Principal Investigator |
須賀 尭三 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00162842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕一 宇都宮大学, 工学部, 助手 (20202898)
|
Keywords | 水工学 / 3次元流れ / 局所洗掘 / 橋脚周辺の洗掘 / 並列らせん流 / 馬蹄形渦 / 河川構造物 / 河岸付近の流れ |
Research Abstract |
河岸付近の橋脚は、通常の河床低下や水衡部の局所洗掘に加えて、並列らせん流や低水路護岸が存在するための3次元流、および橋脚周辺流れ(馬蹄形渦と集束下降流)による局所洗掘を受ける。主要な結果を次に列挙する。 1.複断面水路の接合部における3次元流の従前の研究成果をとりまとめ、組織渦の実験を追加して、底層から発生する馬蹄形渦の特性と低水護岸の形状との関係を吟味し、支配的なパラメーターを見い出した。 2.複断面河道における河床低下前後の洪水特性変化の数値実験を行い、洪水波形の伝播速度、ピーク流量、流速の増大等の水理量の条件が橋脚周辺洗掘にとって厳しい条件となっている様子を明らかにした。 3.気泡噴流を水路底から発生させることによって、実際の河川において生じる並列らせん流と同程度の流れ場を実験水路において作成し、橋脚周辺流れとの干渉と流れの変形の様子を実験的に明らかにした。 4.並列らせん流と橋脚の位置関係によって、橋脚周辺流れの様子が変化することを実験によって詳細に調査し、並列らせん流の存在によって橋脚周辺の洗掘深さや洗掘範囲は顕著な影響を受けることを明らかにした。通常河川においてみられる程度の並列らせん流によって、橋脚の位置によっては、洗掘深が2割程度増大することは実際面においても重要な知見といえる。 5.側壁付近では上昇流が発生し、並列らせん流が位置的に規制されて安定する。そのため、橋脚まわりの洗掘が増大することがある。また、集束下降流等による洗掘量の増大は側壁側よりも水路中央側の方で著しくなることが明らかとなった。 6.複断面水路やわん曲水路の場合については実験例を示した。一般化は今後の課題である。
|
-
[Publications] 田島圭介: "橋脚周辺洗掘に及ぼす並列らせん流の影響" 土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 21. 132-133 (1994)
-
[Publications] 近藤裕昭: "複断面水路の接合部における組織渦について" 土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 21. 128-129 (1994)
-
[Publications] 田島圭介: "橋脚周辺洗掘に及ぼす並列らせん流の影響" 日本自然災害見学会学術講演会概要集. 13. 111-114 (1994)
-
[Publications] 池田裕一: "砂州上における植物群落の分布形態に関する基礎的研究" 環境システム研究論文集. 22. 198-203 (1994)
-
[Publications] 坂入芳昭: "河岸付近における橋脚周辺の局所洗掘に及ぼす並列らせん流の影響" 土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 22. 86-87 (1995)
-
[Publications] 丸山敏: "複断面水路の流れにおける組織渦の形成機構について" 土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集. 22. 92-93 (1995)
-
[Publications] 須賀尭三: "利根川の洪水" 山海堂, 220 (1995)