1993 Fiscal Year Annual Research Report
大気-陸域間の相互関係を考慮した降水および土壌水分量の長期的分布特性の解析
Project/Area Number |
05650489
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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Keywords | 降水 / 水蒸気 / 気候変動 / 地表面過程 / 蒸発散 / 降水過程 / 積雲モデル / 土壌水分量 |
Research Abstract |
本研究では,次のステップにおいて,別途開発されてきている土壌水分量および蒸発を考慮した流出モデルと大気モデルを結合させ,長期的な降水現象と土壌水分量との関係を解析していくことを前提に,既存の降水過程モデルと1次元積雲モデルを我々が開発してきた大気モデルに組み込み,さらに地表面の一部領域に水蒸気フラックスを導入してその地表からの流入分布が降水分布に及ぼす影響を調査した. 導入した積雲モデルに関しては,メソスケールモデルの解析領域上端高度の不足という点を含め,いくつかもう少し精密化を図る必要があるのが明らかになった.しかし,地表面からの水蒸気フラックスが,(1)潜熱の放出,(2)移流という流れ,(3)風速場の収束,という3点を通し,降雨分布の集中化をもたらし,さらには(2),(3)のどちらが卓越するかによって暖かい雨あるいは積雲による雨のどちらに集中するかを決定づけるという重要な点を表現できた.また,強蒸発域と乾燥領域との間に弱い蒸発領域を設けることにより,降雨域が広がり,総降水量が減少し,乾燥領域に運ばれる水蒸気量が増大した.すなわち,地表からの水蒸気フラックス量の分布如何によって,総降雨量,雨域の広がり,雨域の位置に大きな違いが生じることが表現できた.
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[Publications] 中北英一: "地表面水蒸気フラックスが降水分布に及ぼす影響に関する基礎的検討" 土木学会関西支部年次学術講演会講演概要. II-15-1-II-15-2 (1993)
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[Publications] 中北英一: "降雨分布に地表面水蒸気フラックスが与える影響に関する基礎的検討" 水文・水資源学会1993年研究発表会要旨集. 42-43 (1993)
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[Publications] 中北英一: "地表面からの水蒸気フラックスが降水分布に及ぼす影響に関する基礎的研究" 土木学会年次学術講演会講演概要集. 70-71 (1993)
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[Publications] 中北英一: "地表面水蒸気フラックスが降雨分布に与える影響に関する基礎的検討" 土木学会水工学論文集. 38. 25-32 (1994)