1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650525
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
金子 光美 摂南大学, 工学部, 教授 (50083738)
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Keywords | 腸管系ウイルス / 水中ウイルス / 大腸菌ファージ / 接触曝気 / 浄化槽 / 消毒 |
Research Abstract |
1.ウイルスの定量方法自体がまだ未熟の段階であるが、今までの研究経過を一歩進めて濃縮方法の改善を行なうことができた。セルロース回収に市販の不織布をもちいることができる。2.実際の水では、ウイルスを評価するのに少なくともBGM,Hep2,RD18の3細胞を必要とすることを確認した。3.装置の評価には、病原ウイルスより指標として大腸菌ファージを用いるにのが便利であるが、装置内で宿主が増殖する可能性がある。宿主菌が増殖しない条件下でデータを得るのに細心の注意が必要であり、その点に苦労したが、有効なデータを得ることができた。4.ウイルスの処理装置ないでの減少は水量およびBOD負荷に影響され、大まかにはBODなど化学的水質項目の除去効果と一致する。水部分からの減少にはSRTが小さいほどよいが、汚泥とともに流出する量が多くなる。5.実際の腸管系ウイルスを装置に投入する実験が指標と効果をの評価には欠かせないので、ポリオウイルスを投入する予備実験を行なった。6.生物的処理だけではウイルスを安全なレベルまで除去しきれないことがわかった。ゆえに、放流先の状況によっては消毒が必要であることから、浄化槽レベルでの消毒あるいはその他のウイルス減少のための手段が必要である。塩素、臭素、二酸化塩素の錠剤あるいは液状消毒剤を用いて消毒を行なったが、消毒効果は水質条件に大きく左右される。その条件と効果の関係に新しい知見を得たが、処理水質が変動する実務との結びつき、実用的な薬剤の課題が残った。
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