1995 Fiscal Year Annual Research Report
地震時における建物内の物体のロッキング振動と転倒条件に関する研究
Project/Area Number |
05650527
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石山 祐二 北海道大学, 工学部, 教授 (70241362)
|
Keywords | 地震動 / ロッキング振動 / 転倒条件 / 左右非対称物体 |
Research Abstract |
地震動による物体のロッキング運動については、百年程前から研究が行われてきたが、復元力特性が負勾配となる非線形振動を取り扱わなければならないために、現在でも完全に解明されていない現象である。本研究の代表者は、以前に左右対称な剛体の運動を解析するコンピュータープログラムを開発し、剛体上の剛体の転倒問題について研究を行い、地震動による物体の転倒条件について提案した。しかし、物体は左右対称でない場合も多く、さらに地震動によって振動する建物内部での物体の挙動を解明することが、コンピューターを始めとする機器・家具などの転倒防止の面から、より重要な問題となっている。このため、左右対称な剛体のみ扱うことができるコンピューター・プログラムを左右非対称の場合にも適用できるように発展させ、さらに地震動によって振動する建物内部での各種物体の挙動について解析を行い、転倒条件を解明しようとするものである。 平成7年度においては、平成5年度に購入したパソコンを用い、平成6年度に開発したプログラムによる、正弦波及び地震波入力による種々のシミュレーション解析を行った。このプログラムは、物体の運動を画面の上に写し出すことができ、物体の大きさ・形状・床との摩擦係数・反発係数などの各種パラメータを変化させ、水平と上下方向の地震波や正弦波を入力として解析ができるものである。これらの解析結果から、より正確な転倒条件を導いた。また、左右対称な物体については、非対称性が強くなるほど物体は転倒し易いという結果が得られた。また、家具などは後方に壁のある場合が多いため、この点についても式の誘導など若干の研究を行った。
|
-
[Publications] 荒谷直樹,石山祐二: "剛体のロッキング振動と転倒条件-左右非対称剛体のシュミレーション" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No66. 45-48 (1993)
-
[Publications] 荒谷直樹,石山祐二: "左右非対称剛体のロッキング振動と転倒条件" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No67. 97-100 (1994)
-
[Publications] 荒谷直樹,石山祐二: "左右非対称剛体のロッキング振動と転倒条件" 日本建築学会大会学術講演梗概集(東海). 349-350 (1994)
-
[Publications] 星野正雄,山田剛,石山祐二: "剛体のロッキング振動と転倒条件-壁がある場合への展開-" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No68. 109-112 (1995)
-
[Publications] 星野正雄,山田剛,石山祐二: "剛体のロッキング振動と転倒条件-壁がある場合への展開-" 日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道). 975-976 (1995)
-
[Publications] 星野正雄,矢崎雅彦,石山祐二: "隣接する壁の影響を考慮した剛体のロッキング振動と転倒条件" 日本建築学会北海道支部研究報告集. No69. 177-180 (1996)