1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650541
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
苫米地 司 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (40102785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敏幸 北海道工業大学, 工学部, 助手 (20223167)
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Keywords | 積雪荷重 / 凍着強度 / 屋根形状 / 屋根葺材 / 制御 |
Research Abstract |
本年度は、模型雪を用いた風洞実験および低温室における滑雪実験を実施した。風洞実験は、大型の建築物で一般的に用いられるかまぼこ型、切り妻型およびドーム型の3種類の屋根形状を対象に行った。その結果、風速が強い場合にはいずれの屋根形状においても棟部の積雪が少なく、風上部と風下部に分断されたような積雪形状となる。しかし、風速が弱くなるとかまぼこ型とドーム型では棟部の積雪も多く、風上部と風下部が連続した積雪状態となる。このような状態になると、屋根雪の滑雪現象が発生しにくくなる。このようなことから、棟部に雪を分断するような突起物を設けて実験を実施したところ、風速が弱い場合にも棟部の積雪が少なく、風上部と風下部の積雪が分断される。従って、屋上積雪荷重を滑雪によって制御しようとする場合には棟部の積雪が少なくなるような屋根形状にする必要がある。 滑雪実験は、種々の屋根葺材を対象に実験温度別に実施した。いずれの屋根葺材においても、滑雪性状に表面粗さ、表面エネルギおよび雪の含水状況が大きく影響を与えている。特に、滑雪時の抵抗力として最も大きな凍着強度の値は、屋根葺材の表面性状や雪の含水状況に支配され、実験温度が低いほど大きな値となる。従って、屋上積雪荷重を滑雪によつて制御しようとする場合には凍着強度を何らかの方法で低減することが必要となる。 この低減方法について、膜材を対象に熱エネルギを用いる方法を検討した。その結果、急激にエネルギを与えると膜材と雪氷との界面に空洞が形成されてエネルギロスが大きく、小量のエネルギを連続的に与える方が凍着強度の低減に有効であることが明らかとなった。 これらの室内モデル実験で、屋上積雪荷重を滑雪によって制御する場合の基本的な点について検討できた。
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Research Products
(2 results)