夏季蒸暑地域におけるパッシブクーリング手法の定量化と評価に関する研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05650559
• Research Institution: Kumamoto University
• Principal Investigator: 石原 修 熊本大学, 工学部, 教授 (10037971)
• Keywords: パッシブクーリング手法 / ク-ルチューブ / 外付けブラインド / 窓の日射遮蔽 / 省エネルギー効果 / 屋外実験 / シミュレーション / 屋上盛土+芝生植栽

Research Abstract

本研究では,パッシブクーリング手法としてク-ルチューブ,外付けブラインドによる窓の日射遮蔽,屋上盛土+芝生植栽の室内環境緩和効果および省エネルギー効果について調べた。
住宅の採涼手法としてク-ルチューブが考えられる。第2章では,ク-ルチューブの冷却効果について検討を行った。まず,実大試験家屋にク-ルチューブ2本設置し,それぞれ東室と西室に導入する。いずれかの1本のみを使用する場合の東室と西室の室温を比較し,ク-ルチューブ冷却効果を明らかにした。また,ク-ルチューブのシミュレーションプログラムを作成し,埋設深さ,空気流量,チューブの長さ等の出口温度への影響を明らかにした。
第3章では,窓の日射遮蔽係数装置として外付けブラインドの省エネルギー効果について検討した。まず,ブラインドの日射遮蔽測定装置を作成し,2種類の外付けブラインドと1種類の内付けブラインドの日射遮蔽係数を測定した。この測定による日射遮蔽係数を空調負荷計算用プログラムHASPに組み込み,外付けブラインドと内付けブラインドを使用した場合の事務所ビルにおける冷房負荷を比較し,外付けブラインドによる省エネルギー負荷を明らかにした。
第4章では,コンクリート造建物の最上階の盛土+芝生工法による省エネルギー効果を調べた。4種類の盛土+芝生屋根試験体を作成し,それぞれの天井裏温度を測定した。また,芝生のシミュレーションモデルを作成し,その精度を実験結果によって検証した。このプログラムと多数室温室温計算プログラムPSSPを結合し,東京,熊本および沖縄における最上階の冷房および暖房を計算し,屋上盛土+芝生工法の省エネルギー効果やその地域性を調べた。

Research Products

• [Publications] 石原修 他1名: "パッシブ手法による夏季の省エネルギー効果に関する研究第1報 外付けブラインドによる省エネルギー効果" 空気調和・衛生工学会論文集. 54巻. 35-42 (1994)
• [Publications] 石原修 他1名: "パッシブ手法による夏季の省エネルギー効果に関する研究第2報 屋上盛土+芝生植栽による省エネルギー効果" 空気調和・衛生工学会論文集. 57巻. 63-71 (1995)