1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650589
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
船越 徹 東京電機大学, 工学部, 教授 (20057186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
積田 洋 東京電機大学, 工学部, 助手 (60120119)
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Keywords | ファサード / 識別 / 輪郭線 / 正面 / 側面 / ディテール / 4タイプ |
Research Abstract |
人が建築をどのように認識・識別しているかを知ることにより、ファサードを分類し、その性格の違いを明らかにすることを目的として、以下3つの方法で実験を行った。 建物の正面のみをコンピュータグラフィクスにより、輪郭線から順に表示するという<識別P法>を14サンプルで行った。この結果、ファサードが識別されるプロセスを明確にし、アイデンティティの強い順に、[輪郭型][エレメント型][面構成型][箱型]の4つに類型化した。これはデザインの時代的区分と照応していることが読み取れ、[輪郭型][エレメント型]は伝統建築とポストモダン建築、[箱型]はモダニズム建築、[面構成型]はその発展型である。また、建物を立体的に見れば正面のみとは異なる識別の要因があると考えられる。そこで同一建築物の正面のみ・側面のみ・正面と側面を見せる実験<2面識別法>を5サンプルで行った。アイデンティティの強い型と弱い型の2面を持つ建物は、強い方のファサードの型となると考えてよいことが分かった。次にファサードのディテールに着目し、その特徴の強弱を捉えようとする<識別D法>を29サンプルで行った。実験で得られたグラフの形態よりタイプI〜IVに分けられた。タイプIはディテールに強い特徴を持つ。タイプIIはやや強い特徴を持つ。タイプIIIは、ディテールに特徴はないがエレンメトが表示されていくことで識別される。タイプIVはディテールにほとんど特徴がないものである。 この結果と<識別P法>の4タイプより、[輪郭型]にはディテールにも強い特徴を持ったものが多く存在することが分かる。[エレメント型]はその印象的なエレメントが表示されていくことで識別されやすくなるが、ディテールの特徴は普通である。[箱型]はディテールにおいてもその特徴は弱く識別は難しい。 これらの3つの実験を通して、ファサードの識別のされ方と、その特徴を明らかにすることができた。
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