1993 Fiscal Year Annual Research Report
教育の多用化に対応した高等学校の建築計画に関する研究
Project/Area Number |
05650590
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長沢 悟 日本大学, 工学部, 助教授 (60114592)
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Research Abstract |
まず高等学校の多様化に関する文献・資料収集を行い、課題の整理を行った。その中で本年度は、単位制高等学校に焦点をしぼることとし、全国30校余りの先進的単位制高等学校について設置の趣旨、立地、課程、部編成、制度、学校運営、施設、生徒の属性、検討体制等について、収集資料をもとに整理を行った。その中から、地域性、設置の経緯、部構成、施設的特色等を勘案して、岩手県立杜陵高校、埼玉県立大宮中央高校、大阪府立桃谷高校、大阪市立中央高校、東京都立新宿山吹高校の5校を選び、ヒヤリングおよび施設の視察、授業時間割・教室利用時間割・科目選択状況等に関する資料を入手し、比較分析考察を行った。 そのうち、単位制高校としての新たに施設が建設され、またその課程で相互に情報を交換しながら独自の学校づくりのなされた大阪市立中央高校、東京都立新宿山吹高校の2校について、再度資料収集およびヒヤリング調査を行った後、学校と相談の上、全教員および生徒を対象に、ホームルーム、情報伝達、学校運営、教室構成、学校の生活時間等に関するアンケート調査を行い、同時に教室の移動や過ごし場所等について観察、記録調査を実施した。 また比較検討のための関連調査として、静岡県立中央高校、伊奈学園その他の学校の視察、ヒヤリングを行った。 分析は継続中であるが、これまでのところでも、単位制高校では従来の高校とはホームルームの性格が異なること、教科教室型的な運営を学校がとっていること、それに対して教室の構成、配置等が対応していないこと、情報伝達や交流空間、生徒指導等に関して配慮が必要なこと等が明らかになっている。
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