1993 Fiscal Year Annual Research Report
開発と保存のダイナミックスのための都市景観シミュレーションの方法に関する研究
Project/Area Number |
05650593
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
門内 輝行 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90114686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 種臣 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40130869)
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Keywords | 開発と保存のダイナミックス / 都市景観 / シミュレーション / 多層構造モデル / データベース / マルチメディア / 景観のコード |
Research Abstract |
産業構造の転換に伴い、資本主義的な開発の波が都市内部に押し寄せ、都市景観の破壊が急速に進行している。本研究では、開発と保存のダイナミックスが錯綜する歴史都市を対象として、個性的な景観形成の原理を探究するための都市景観シミュレーションの方法の開発をめざして、次のような研究を展開した。 1.都市景観の多層構造モデルの探究 開発と保存のダイナミックスをとらえるためには、場所性、歴史性と同時に、現代に生きる都市としての活力を考慮した都市性を発見していく必要がある。そこで、歴史都市の景観を、場所性・歴史性・経済性・文化性等の深層構造と、現れとしての景観の表層構造とを重ね合わせてみる多層構造モデルの定式化を行った。 2.マルチメディアシステムによる都市景観のデータベース化 (1)多層構造モデルに基づいて、これまでに収集した200カ所の日本の歴史的街並みの景観について、マルチメディアシステムを利用した都市景観のデータベースを作成した(Macintosh Quadra840AV上のHyperCardを利用)。 (2)ビデオ映像や音声を含むマルチメディアシステムによる都市景観のデータベース化の方法を開発した。 3.都市景観のシミュレーション・システムの開発 (1)開発と保存の論理の立て方によって、都市景観がどのように変化するかをシミュレートする方法の開発を進めた(Photoshopによるモンタージュ、MiniCADによるシミュレーションなどを利用)。 (2)歴史都市・京都をケーススタディの対象として、都市計画法や相続税等の社会的制度、屋根勾配・スケール・色彩・素材などの景観のコードのあり方を検討するために、基礎的な資料を収集した。
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[Publications] 門内輝行: "日本的空間のアイデンティティに関する探究-建築・都市空間のトロジー-" 人文社会科学研究. 34. 271-300 (1994)
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[Publications] 門内輝行: "都市のスカイラインの記号論的分析-形態分析とその応用-" 日本建築学会大会学術講演梗概集F. 29-30 (1993)
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[Publications] 門内輝行: "リストラクチャリングの時代-環境と文化の視点-" JITA NEWS. 2-3 (1993)
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[Publications] 門内輝行: "景観のトポス-京都再生のために" 建築雑誌. 107. 77 (1992)
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[Publications] Teruyuki Monnai: "Search for Architectural Language of Japanese Space" Casabella. (1994)
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[Publications] 内田種臣: "記号論研究とハイパーメディアシステム" 早稲田教育評論. 7. 69-79 (1993)
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[Publications] 門内輝行: "街並みの美の秘密-新しい街づくりのために-" 岩波書店(予定), (1994)