1994 Fiscal Year Annual Research Report
Nd-Fe-B B-richコンポジット結晶におけるBの影響
Project/Area Number |
05650625
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大庭 卓也 帝京大学, 理工学部, 助教授 (00211110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 徹 帝京大学, 理工学部, 助手 (70238161)
|
Keywords | Nd_xFe_4B_4 / コンポジット結晶 |
Research Abstract |
Nd_xFe_4B_4はNdとFeの二つの異なったサブシステムが互いに入り込んでできており、コンポジット結晶といわれている。これらの構造の周期についてはいくつかの報告があるが、組成を変えた系統的な研究はなされていない。そこで、Nd-Fe-Bコンポジット結晶の生成範囲および周期について今年度はおもにNdの濃度を変えて調べた。昨年のB濃度の変化の結果も考慮にいれてまとめる。作製した試料のX線粉末回折図形を調べ、反射線による不純物の同定および不純物の量を調べた。今回作製した濃度範囲では、あらわれた不純物はNdB_4およびFe_2Bだけであった。この結果および不純物からの反射線強度からコンポジット結晶のあらわれる領域としてはNd_1,_2Fe_4B_4付近であろうと考えられる。1:4:4の化学量論組成からずれている事は、この結晶がコンポジット結晶である事を示している。次にNd濃度、B濃度の変化に対してNdサブシステム、Feサブシステムの基本周期からの反射線のあらわれる位置について調べてみた。Feのサブシステムからの反射線の位置Nd、B濃度の変化に対してほとんど変化がみられない。一方、Ndサブシステムからの反射線の位置はB濃度の変化に対しては変化はないが、Nd濃度の変化に対してはNdが増えるほど高角側にずれ、Ndサブシステムの基本周期は長くなる傾向にある。また、これまでの研究よりFeサブシステムとNdサブシステムの基本周期の差によってコンポジット結晶としての構造の周期がほぼ決まる事がわかっており、この点を考えあわせると、コンポジット結晶の構造の周期はおもにNdの濃度によって決まり、Ndが増えるほど構造の周期は長くなる傾向にある事がわかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.OHBA,T.HARA,S.SASAKI,M.TAKATA,Y.KOMURA: "Separation of Two Subsystems in Nd_<13>Fe_<46>B_<41> Composite Crystal Utclizing Synchrotron Radiation" Jpn.J.Appl.Phys.32. L1553-L1555 (1993)
-
[Publications] T.HARA,T.OHBA,S.NENNO,K.OTSUKA: "Structure Study of the R-phase in a Ti-Ni-Fe Alloy by Election Microscopy" Trams.Mat.Res.Soc.Jpn. 18. 1069-1072 (1994)
-
[Publications] T.OHBA,S.M.SHAPIRO,S.AOKI,K,OTSUKA: "Phonon Softening in Au49、5at%Cd Alloy" Jpn.J.Appl.Phys.33. L1631-L1633 (1994)