1993 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型強誘電体の高界下における結晶構造と物性との相関
Project/Area Number |
05650630
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴見 敬章 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70188647)
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Keywords | 強誘電体 / 結晶構造 / 強誘電性 / 誘電性 / 結晶構造解析 / リートベルト法 |
Research Abstract |
本研究は、試料に高い電界を印可しながら測定できる粉末X線回折計を試作し、ペロブスカイト型強誘電体について高電界下での結晶構造変化を明らかにすることを第一の目的としている。試料としてマグネシウムニオブ酸鉛を選び、1mmあたり約1.5kVまでの電界を印可しながら温度を変化させて回折強度を測定する。さらに、得られたデータをもとに粉末X線リートベルト法を用いて結晶構造解析を行い、同じ電界、温度条件で測定した誘電率、圧電定数、電界誘起歪などの物性値と対応することで、高電界印加が物性に及ぼす影響を結晶化学的に考察する。 本年度は主に装置の試作を行った。基本となる粉末X線回折計はマックサイエンス社製MPXシステムである。試料温度は-100℃から200℃の範囲で変化できること、および、電界はX線の照射される面に垂直、水平方向に印可できることを条件として設計を行った。試料の加熱は、セラミックス試料の裏面に小型の電気ヒータを取り付けこれに通電することにより、また、試料の冷却は試料表面に液体窒素から蒸発した冷却ガスを吹き付けることにより行った。セラミックス試料には銀ペーストあるいは金スパッタにより電極を取り付け、高圧電源により電界を印可した。試料温度のモニター、温度、電圧の制御などは全てコンピュータを介して行った。本装置の試作にあたり最も困難な点は、試料近傍での高電圧のリーク放電であり、これは時として制御装置の破損をもたらした。これらの問題はサージアブソーバを各所に配置し、信号は絶縁アンプを通してからコンピュータに取り込むことで解決し、最終的に設計条件を満たす装置を試作することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tsurumi,K.Soejima,T.Kamiya and M.Daimon: "Mechanism of Diffuse Phase Transition in Relaxor Ferroelectrics" Jpn.J.Appl.Phys.(印刷中). (1993)
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[Publications] T.Tsurumi,K.Soejima,T.Kamiya and M.Daimon: "Diffuse Phase Transition of Pb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3" Ext.Abs.The 6th US-Jpn Seminor Dielectr.Piezo.Ceram. (印刷中). 215 (1993)
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[Publications] T.Tsurumi,K.Soejima,T.Kamiya and M.Daimon: "Dielectric Dispersion of Relaxor Ferroelectrics" Proc.MRS Tokyo Ikebukuro. (印刷中). (1993)