1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650632
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 隆 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10126310)
|
Keywords | ペロブスカイト型硫化物 / 合成 / 物性 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型複合硫化物ABS_3は三元系硫化物であるため、A,B二種類の金属どうしの混合を完全にするためには高温で加熱することが不可欠である。しかしこれらの化合物は高組成の硫黄を含むため十分に硫黄が金属と反応する以前に石英真空封管の温度を上げると気化した硫黄の圧力により石英管が破裂し、危険であることが判明した。そこでこの危険を避けるため、硫黄単体の使用をできるだけ避け、A,B元素の硫化物を用いてペロブスカイト型複合硫化物の合成を行うこととした。これまでにメタバナジン酸アンモン、酸化クロム硫化水素気流中で1000℃で加熱することによりそれぞれV_5S_8およびCr_2S_3を得た。また、TiS_2、TaS_2、ZrS_2はそれぞれの金属と硫黄を石英管中に真空封入し2〜3日間加熱することにより得た。硫化タングステンおよび硫化マンガンは金属を硫化水素気流中で加熱することにより得たが組成については分析中である。上述の元素のうちクロム以外はは+4価の原子価を取りうるのでアルカリ土類金属等の+2価の金属とともにABS_3を作ることができる(S_3は-6価に相当する)。そこで市販のCaS_2と上記硫化物のいくつかを用い、ペロブスカイト型硫化物の合成を試みた。しかし、現在のところCaS_2と石英管の反応により純粋な化合物が得られていない。この石英管との反応を防ぐため、石英管中に高純度アルミナ管を封入し、この中で反応を行わせるか、石英管の内壁を炭素でコーティングする方法を検討中である。Li_2Sと+5価金属との組み合わせを用いるときもこの問題は一層重要となる。
|
-
[Publications] Takashi UCHIDA: "Anode Properties and Diffusion Coefficient of Lithium of Pitch Based Carbon Powder" DENKI KAGAKU. 61. 1390-1394 (1993)
-
[Publications] Hiromasa IKUTA: "Lithium Inter calation into Cr_2Mo_6S_8" DENKI KAGAKU. 61. 718-719 (1993)
-
[Publications] Masataka WAKIHARA: "Nickel Chevrel-Phase sulfides Ni_yMo_6S_<8-z> and Ni_yMo_6S_<8-z>O_n as the Cathode of Lithium Batteries" J.Power Sources. 43-44. 651-655 (1993)