1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属アルコキシドの粉砕助剤・分散剤としての作用機構
Project/Area Number |
05650646
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
林 剛 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (70016385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釘田 強志 西東京科学大学, 理工学部, 助手 (80225127)
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Keywords | 粉砕助剤 / 乾式粉砕 / 金属アルコキシド |
Research Abstract |
トリsec-ブチルアルミネート,テトラn-ブチルシリケート,テトラn-ブチルチタネートを粉砕助剤に用いて遊星ボールミルによりタルクの乾式粉砕を行い,これらの粉砕助剤・分散剤としての作用機構について,砕生物の比表面積,粒度分布,静電帯電量などから検討した. タルクは結晶層面に沿って生じるクラックをとおして板状に剥離しながら微細化され,助剤無添加では全比表面積約18.5/g及び平均粒径4.3mumまで進んだ時点で強固な付着・凝結現象により粉砕は平衡に達した.これに対して,例えば約1wt%のアルミネート添加条件では全比表面積が37m^2/g,平均粒径2.5mumに達した時点でも粉体は流動性があり,粉砕がさらに進む傾向を示した. 破砕帯電の影響が小さくなった24時間経過後に測定した砕生物の静電帯電は,助剤無添加の場合は負帯電であるのに対して,助剤添加条件の砕生物はいずれも正帯電であり、例えば全比表面積が37m^2/gの砕生物の静電帯電量は+21.4×10^<-10>C/gである.アルコキシドは粉砕の進行とともに逐次添加量を増加すると,静電帯電量は単位面積当たりでほぼ同じ値となり,比較的均質に砕料表面を覆っていると推定される. 約25dyne/cmの小さい表面張力をもつアルコキシドは速やかに砕料表面,特にクラックの新表面にぬれ拡がって低エネルギー表面を形成することによって,剥離を生じ易くしている.また粒子間の付着及び特に大きい粒子表面への微細粒子の付着が生じにくいことから,微粉砕が進み砕生物の粒度分布幅が狭くなっている.また粉砕の到達度合いはアルコキシド分子の数に依存することが判明した.
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