1993 Fiscal Year Annual Research Report
窒化アルミニウムウィスカーの合成と複合材料への応用に関する研究
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05650651
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀田 憲康 新潟大学, 工学部, 助教授 (30018676)
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Keywords | 窒化アルミニウム / ウィスカー / 複合材料 / アルミニウム / 浮上式流動層反応 / 直接窒化反応 / エポキシ樹脂 / 超微粒子 |
Research Abstract |
直接窒化法は反応系が簡単であるため、反応装置や、操作は簡単であり、比較的低いコストで高純度の窒化物粉末を合成することができる。しかし、従来のAlの直接窒化法においては、高純度のAlNウィスカーを効率よく合成した例は見当たらない。申請者の浮上式流動層反応で合成しているAlNウィスカーの色は、N_2ガスを反応に用いると純白色を示し、N_2/NH_3混合ガスを用いると無色透明を示す。この同一の反応装置で、操作条件を変えることにより、AlN微粉末も合成することができるので、工業化する場合には、設備費用をほとんど必要としない利点がある。ちなみに、この反応装置で合成したAlN微粉末は、粒径が0.1〜0.2μmの範囲で制御して合成でき、(市販の喪のは0.6μm以上)、酸素含有量は0.25wt%(市販の最高純度品は0.85wt%)、金属不純物(Si:7ppm、Fe:2ppm)も市販品以下である。しかも、連続合成法であるので、粉砕・再窒化・粉砕という工程を必要としない。したがって、この粉末を原料とすると、高熱伝導AlNセラミックスが得られる。ウィスカーはこの粉末と同じ雰囲気で生成しているので、合成されるウィスカーが極めて高純度であることが分かった。 本法の窒化反応過程においては、Al金属粒子表面に制御して生成した窒化層を熱応力を利用して崩壊させ、数秒の反応時間で超微粒子の窒化物粉末が得られ、それに付随して発生したAl蒸気が過飽和状態になり、AlNウィスカーが生成することが判明した。現在のところ、未反応Alが残るように反応条件を制御することにより、ウィスカーの収率は、Al原料に対して最高約75%となった。ウィスカーの径は0.4〜120μmの範囲のものが合成することが可能であり、この細いものは優れた焼結性を有し、高熱伝導セラミックスの作製ができる。また、太いものはそのまま、あるいは粉砕してプラスチックスに複合化することにより、現在使用されているアルミナセラミックスIC基板の特性にほぼ匹敵する熱伝導特性のものが作製し得た。
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