1993 Fiscal Year Annual Research Report
触媒金属ゲートMOSキャパシタを用いる高温高圧水用溶存酸素センサーの試作
Project/Area Number |
05650690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 信義 東北大学, 工学部, 助教授 (40111257)
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Keywords | 溶存酸素センサー / MOSキャパシタ / 高温高圧水 |
Research Abstract |
1.研究目的 沸騰水型原子炉では、1次冷却水系のステンレス鋼製配管の腐食損傷を未然に防止するため、冷却水中の溶存酸素(dissolved oxygen;DO)の計測が必要とされている。本研究では、金属-酸化物-半導体(MOS)キャパシタの特性を利用した高温高圧水用DOセンサーを開発することを目的とした。 2.研究成果 (1)高温高圧水用のMOSキャパシタ特性測定装置の作製:パーソナルコンピュータにより制御されたポテンショスタットおよび周波数応答解析器と、高温高圧水用電解槽であるオートクレーブとを組み合わせた装置を作製し、これによってMOSキャパシタの容量-電圧特性を正しく測定できることを確かめた。 (2)高速・高感度DO検出用ゲート電極の作製:Pt、Au、Irとこれらの金属酸化物を複合した貴金属-貴金属酸化物複合膜ゲートを形成し、DO応答特性を調べた。複合膜は純金属膜よりも速いDO応答を示すが、膜の組成変化によるドリフトを生じることが分かった。純金属の中ではPtが最も高いDO応答速度と感度を示した。 (3)ゲート電極の耐食性の評価:サファイア基板上にPt、AuおよびIr薄膜を形成し、温度300℃までの高温高圧水中における電気化学的分極測定を行った結果、PtとIrが優れた耐食性を有することが分かった。 (4)高温高圧水用DOセンサーの試作:DO応答特性と耐食性に優れたPtをゲート電極に用いて、MOSキャパシタDOセンサーを作製した。半導体基板として温度100℃以下の測定用にSi単結晶、100℃以上の測定用にTiO_2単結晶を用いた。これらのセンサーは、25〜200℃の温度範囲で良好なDO応答特性を示した。
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