1993 Fiscal Year Annual Research Report
急冷式プラズマ回転電極法によるチタン基アモルファス粉末の作製とそのバルク化
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05650696
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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Keywords | 急速凝固 / プラズマ回転電極法 / 非晶質粉末 / チタン基合金 / ジルコニウム基合金 / 高温酸化 |
Research Abstract |
本研究者らは、これまでにTi-TM-Si(TM=遷移金属)非晶質合金の作製に成功するとともに、引張強度が実用Ti基合金の約2倍と高強度特性を示すことを見出し、報告した。しかし、これらTi基合金は高活性であるため、一般に使用されているルツボを用いる溶解法が使用できず、操作が困難な浮遊溶解式液体急冷装置により作製されている。従って、Ti基非晶質合金を、大量に作製することは困難な状況にあった。 本研究では、本申請者らが開発した急冷式プラズマ回転電極型粉末作製装置を用いて、高活性な合金や高融点合金の非晶質が作製できる条件の探査と得られた試料の諸特性を調べることを目的にしている。 初年度は、この急冷式プラズマ回転電極型粉末作製装置を用いて、高活性な合金や高融点合金の非晶質粉末を大量に得る条件の確立と諸特性を調べた。最初に急冷式プラズマ回転電極型粉末作製装置により、高強度特性が期待されるTi-Co-Si合金の粉末作製を行い、以下の結果が得られた。 1)本装置により非晶質相粉末が作製され、その形状は両面ともに平滑な紡錘型である。その寸法は母合金電極の回転速度、冷却銅ロールの周速および母合金電極と冷却銅ロールとの間隔により制御できる。 2)冷却銅ロールの回転方向を母合金電極の回転方向に対して逆回転にした方が安定した状態で非晶質粉末が得られる。 3)冷却銅ロールの周速を大きくすると粉末の厚さが薄くなり、20m/s以上で約25μmの粉末が得られる。 4)母合金電極の回転速度に関わらず、冷却銅ロールの周速が8m/s以上で母合金電極と冷却銅ロールとの間隔を40〜140mmとすることにより容易に非晶質相が得られる。次に、非晶質粉末作製とは別に、次年度の研究に結び付けるためにTi基合金と同様に高活性なZr基合金を作製し高温酸化に関する研究を行って見た。その結果、ZrO_2セラミックス中にPdなどの超微粒子が生成することを見出した。この結果は、非晶質合金を出発原料とした高活性な触媒材料になり得ることを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.M.Kimura K.Asami A.Inoue T.Masumoto: "The Oxidation of Amorphous Zr-Base Binary Alloys in Air" Corrosion Science. 35. 909-915 (1993)
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[Publications] A.Inoue M.Watanabe H.M.Kimura T.Masumoto: "Formation and High Mechanical Strength of Al-Based Alloys Containg a Nanoscale Icosahedral Phase As a main Consituent" SCI.REP.RITU. 38. 138-160 (1993)
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[Publications] M.Watanabe A.Inoue H.M.Kimura T.Aiba T.Masumoto: "High Mechanical Strength of Rapidly Solidified Al_<92>Mn_6Ln_2(Ln=Lnthanide Metal)Alloys with Finely Mixed Icosahedral and Al Phase" Mat.Trans., JIM. 34. 162-168 (1993)